今日の9章は1節―9節において、「喜び楽しむ」とは、この場合、カナンの宗教の恍惚状態を意味しているので禁じられています。「麦打ち場で受ける姦淫の報酬」とは、収穫の時期にバアルに捧げる祭儀の時のばか騒ぎを意味しています。バアル礼拝を取り入れた主への礼拝は、表面的には主への礼拝の形をとっていますが、それは偶像礼拝であり、主はそれを受け入れるどころか裁かれます。それで、イスラエルは約束の地に留まることが出来ず、エジプトやアッシリヤに捕囚の民として連れ去られるのです(3節、6節)。7節では、預言者ホセアの預言を聞いたイスラエルの民たちが、預言者ホセアの口真似をして「刑罰の日が来た」とか「報復の日が来た」とか「イスラエルは知るが良い」などと言って、そのあと、預言者は愚かな者・・・などと言って、預言者ホセアを嘲ったのです。
10節―14節では、主は、イスラエルの先祖たちを、荒野のぶどうのように、いちじくの初なりの実のように、見ていました(10節)。ところが、彼らは、偶像バアル・べオルへの礼拝に関与し、忌むべき偶像のように汚れた者となりました。こうして、エフライム(北イスラエル)の神の民としての栄光は飛び去りました(11節)。そして、神ご自身もまたエフライムから離れ去るのです(12節)。エフライムはツロのように栄えていましたが、その子らをほふり場に連れて行かねばならないことになります。豊穣と豊かさを求めてバアルのもとへ礼拝をした人々は、その刑罰として、子が産めなくなり、生んだ子を失い、主に捨てられるのです(13節)。14節は預言者ホセアが、主に対して嘆願した祈りです。裁きとして与えられるのは、何ですか。「はらまない胎と、乳の出ない乳房を与えて下さい」と祈りました。それは、預言者ホセアにとって、偶像礼拝の罪を犯し続けるイスラエルの民に対する神の裁きは避けられないものとして、最悪の状態をさけようとしたようです。預言者ホセアにとっての最悪の裁きとは、「神がイスラエルを見捨てられること」また「北イスラエルが外国の軍隊によって滅ぼされてしまうこと」でした。
15節―17節では、「彼らのすべての悪はギルガルにある」と言われています。サウル王が不従順のゆえに、主の前で王位を失ったのはギルガルでした(第1、サムエル記23節参照)。王制のはじめから、不従順の種はまかれていのたです。15節の「宮」とは、主の契約の土地(カナン)のことです。イスラエルの民は、約束の土地から主の裁きのゆえに追い出されるのです。主はイスラエルを捨て、イスラエルは諸国の間に散らされて、さすらい人となるのです(17節)。歴史はこの通りに実現しました。しかし、主はイスラエルの民を捨てられたのではありませんでした。いつも、主の心の中に、イスラエルはあったのです。
主の預言者は、主のことばを語ります。しかし、民たちは自分たちを義として、嘲ります。それゆえに神の裁きは避けられないものとなります。それでも、預言者たちは、執り成しの態度を保ち続けました。また、預言を語り続けました。このことは、いまの私たちの立場に似ています。なかなか、まわりのひとは耳を傾けず、心を向けてくれませんが、私たちは執り成しの立場に立ち、また、福音を語り続けるものです。主が私たちに忍耐と愛と祈りの力を注いでくださいますように祈ります。私たちには痛みがあります。それはキリストの家族、キリストの体としての痛みです。私たちが執り成しの祈りを捧げる時、痛みが取り去られて、癒しが与えられます。キリストご自身が最も深く、その痛みを御存じだからです。きょう、置かれた場所で、元気に生きて、主をほめたたえましょう。一歩また成長しましょう。チャレンジしましょう。信じましょう。期待しましょう。受け取りましょう。主が道を開いて下さいます。聖霊様が私たちのパートナーですから。
清宣教師
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