①神の国における報い(1節~15節):この個所は、19章30節と20章16節の「あとの者が先になり、先の者があとになる」という同じ警告のみことばによって挟まれています。昨日の19章に登場した金持ちの青年は、世の中で立派な評価を得ていましたが、イエス様のもとを去りました。私たちにとって、とても大事なことは、世の中の高い評価を得る事ではなく、むしろ、神の恵みにあずかることです。さて、ブドウ園(教会)の主人(父なる神様)は、ブドウ園で働く労務者(クリスチャン)を雇いに朝早く(6時頃)から出かけました。そして、そこにいた労務者と1日1デナリの契約で雇いました。そのあとも、何度も市場に出て、9時、12時、15時、17時頃にも出かけて、労務者を雇いました。それだけ、ブドウ園(教会)の仕事は多かったのです。しかし、9時以降の人を雇う場合は、まる1日の働きではないので、1デナリの約束はせず、「相当のもの」という約束で雇いました。そして、日雇いですから、1日の終わり(夕方、18時頃)に主人が賃金を支払いました。そして、最後に来たものから賃金を受け取りました。17時に雇われた者の手に、主人は1デナリを渡しました。「な、なにかの間違いではないでしょうか?」たった1時間しか働けなかったので、この人たちは、家族の夕食分にはなるかも知れないが、明日の1日の生活はどうしたら良いのか?いろいろ心配していました。ところが、問題は消え去りました。1デナリをもらえたのです。ところが、朝早く雇われた者たちが、自分たちも1デナリもらったのですが、1デナリしかもらえないことに腹が立ちました。そして、主人に文句を言いました。なぜ、私たちも1デナリだけなのですか?主人は言いました。1デナリの契約だったでしょう。何も不正はしていません。ところが先に雇われた者は、自分が汗水流して働いていたとき、後から来た者たちは、市場でぶらぶらしていただけだ、と思ったのです。先の者たちの心の中は不平と不満でした。後の者たちの心の中には感謝と喜びでした。どちらの人たちが神のみこころにかなう人だったのでしょうか? 感謝と喜びに満ちた人たちです。つまり、先のものが後のものになるのです。恵みを恵みとして受け取った後の者たちは幸いです。先の者は、主人に文句を言えるほど、一所懸命成すべきことをしたのです。でも、完全に間違っていました。すべては恵みでした。昨日の19章のこどもたちのこと、大人から見れば価値がないように見える子供たちが天の御国に入るのです。むしろ、立派な金持ちの青年が天の御国から遠いものでした。きょうの20章でも、一所懸命、最初から働いた者たちが、神のみこころから遠いものとなりました。自分には権利がある、自分は働いたのだから、という考えに毒されてしまったのです。信仰生活が長くなる程、この利得の計算が働いてしまう傾向があるのです。いつまでも、「すべてはただ、ただ、主の恵みです」という感謝と喜びに満ちた信仰の人生を送るように勧められています。恵みを恵みとして、受け留め続けることは本当に難しいことです。主の臨在から離れるなら、容易に、落とし穴に落ち込んでしまいます。
②第3回目の受難の予告(17節~19節):イエス様の一行は、次第にエルサレムに近づいてきました。そこで、イエス様は12弟子だけを呼び寄せて、三度目の受難の予告をされました。エルサレムでは、祭司長や律法学者の手によって捕縛され、ローマ人に渡されて十字架の上で処刑されること、しかし、3日目によみがえることを改めて弟子たちに伝えました。このようにして、イエス様は何度も弟子たちの心に備えをする機会を与えられたのです。
③仕える者になれ(20節~28節):イエス様の受難の予告を聞いたにもかかわらず、弟子たちの間では、誰が偉いかという論争が始まりました。そこで、イエス様は、偉い人になるのではなく、仕える人になりなさい、と強調されました。そして、イエス様ご自身がその模範を示されることを予告されました。
④盲人の癒し(29節~34節):もうすぐエルサレムという、エリコの町を出た時の出来事でした。二人の盲人がイエス様に目をあけていただきたい、と願い求めました。それで、イエス様はかわいそうに思って、彼らの目に触られて彼らの目を見えるようにしてやりました。このように、イエス様はご自分を呼び求める者に対して「わたしに何をしてほしいのか」と尋ねて下さいます。わたしたちは、何を求めるでしょうか?
以上です。主よ。私たちを「あいつよりも、自分は苦労している」という誘惑、「あいつよりも、自分はましだ」という誘惑、また、「もっとお金があれば出来るのに」という誘惑からお守りください。御霊に導かれて生きる人生を選ばせてください。
清宣教師
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