①イエスの復活(1節~10節):さて、安息日が明けました。イエスを愛する女性たちは、イエス様の遺体が急遽、墓に葬られたことで、充分な遺体の保存処理ができなかったことに気が気でありませんでした。イエス様の遺体をきちんと保護するために、イエス様の遺体に塗る香料を準備しておりました。しかし、安息日には、そのことが許されなかったので、安息日(土曜日)が過ぎて、日曜日の早朝、女たちは墓に向かいました。女たちは、墓の入り口にある大きな重い石をどうしたら女たちの手で転がして墓の中に入る事が出来るか、悩んでいました。しかし、墓の入り口の近くまで行くと、地が震えて、天から主の使いが下りてきて入り口の石をわきへ転がしてくれました。ローマの兵士たちは、天の御使いの出現に震えおののいて手出しをすることが出来ませんでした。それで女たちは天の御使いのことばを聞いて、イエス様がよみがえられたことを知るとともに、弟子たちに伝えるために墓を離れて走って弟子たちのところに戻りました。その途中、イエス様が彼女たちに出会い、「おはよう」と言われました。彼女たちは、喜びと共に栄光の姿をとられたイエス様に、王様に対してするように、イエス様の御足を抱いて拝みました。復活を通して、イエス様が真の神であることを示されました。また、イエス様の復活は、わたしたちの復活の初穂としての意味を持っており、私たちの救いと復活が確実であることを示すものでした。
②復活に対する陰謀(11節~15節):一方で、イエスの復活を信じない祭司長たちなど、ユダヤ人の指導者は、陰謀をたくらみ、イエスの死体は弟子たちによって盗まれたのだという、偽りの情報を流しました。現代でも、いろいろな視点からイエスの復活を否定する考えが流布しています。しかし、イエスの復活は歴史的な事実でした。だからこそ、使徒時代の大迫害にもかかわらず、福音が全世界に広がって行ったのです。
③世界宣教の大命令(16節~20節):イエス様は、天に戻られるにあたり、11人の弟子たちを呼び寄せられました。そして、弟子たちに命じられました。それは世界宣教の大命令です。全世界に出て行って、父と子と聖霊の御名によってバプテスマを授け、イエス様の教えを守る弟子を育成することでした。
さて、今日のマタイの福音書の最終章の最後に、11人の弟子たちが「山に登った」(16節)ことが記されています。一方、イエス様がなさった最初の説教では、「イエスは山に登り、お座りになると、弟子たちがみもとに来た」(5章1節)と記されています。「山に登る」ということが、神に近づくという意味があったのかも知れませんが、おそらく、大切なことを話されるにあたって、創造主のみわざに囲まれた山という環境を選ばれたのではないか、と考えます。また、最後は、イエス様が、「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」と言われました。「いつも」とはギリシャ語の原語では、世の終わり(イエス様の再臨)までの「すべての日々」という意味です。マタイの福音書1章23節で、イエス様は、インマヌエル(神は私たちと共におられる)の神として誕生されましたが、マタイの福音書28章の最後で、ふたたび、イエス様は、「いつも、あなたがたとともにいます」と言われたところで、福音書が閉じられています。以上です。
それでは、皆様、いつも共にいてくださるイエス様に心を向けて、歩きましょう。
清宣教師
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