さて、きょうは、深い内容を取り扱っていますので、1章1節~3節の箇所だけを取り上げます。「初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。この方は、初めに神とともにおられた。すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。」まず、「初めに」ということばですが、ギリシャ語の原語では、「エンアルケー」と記されています。なお、創世記1章1節にも、「初めに」(ヘブル語の原語で、ヴェレシート)と記されています。しかし、これらには違いがあると言われています。創世記の「初め」は、時間の始め、空間の始め、物質の始め、人生の始め、歴史の始め、などの「初め」と言う意味です。何かの始まりを指しています。しかし、ヨハネの福音書の初めは、何かの始めではなく、何もない初めということで、区切りのない永遠の初めです。ヨハネ17章5節で、イエス様は「世界が存在する前」と言われています。コロサイ人への手紙1章17節でも「御子は万物よりも先に存在し」と記されています。目に見える天地万物、天使たちも含めて、それらのものが存在する前のことです。次に、「ことば」と訳されているものは、ギリシャ語では「ロゴス」です。なぜ、「ことば」なのでしょうか?4つくらいの解釈があります。第1に、ロゴスとは知恵とか理性とも訳すことが出来ます。箴言では、「神の知恵」と言われています。それで、ロゴスとして表現したというのです。第2に、父なる神の人格がそっくり表れた実像なので、ことばと表現されたというのです。本来、その人の言葉は、その人の心のままを、そっくり、表すからです。第3に、旧約聖書や預言者の預言の対象として語られてきたお方なので「ことば」として表現されているという解釈です。第4番目の解釈ですが、これは、もっとも理解しやすいものですが、ヨハネの福音書の1章18節に「いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。」と記されているように、御子イエス様が、父なる神を「説き明かされた」と言う意味で、「ロゴス」と表現されているという解釈です。へブル人への手紙、1章1節に、「神は、むかし父祖たちに、預言者たちを通して、多くの部分に分け、また、いろいろな方法で語られましたが、この終わりの時には、御子によって、私たちに語られました。神は、御子を万物の相続者とし、また御子によって世界を造られました。御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現れであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。」と記されています。御子によって語られ、神の本質の表れであるがゆえに、「ロゴス」として表現されているというのです。最後に、ことばが「あった」という意味ですが、「造られた」という意味ではありません。エホバの証人の人たちは、御子は最初に造られた者と解釈していますが、その解釈は違います。親と子との関係と造られた者との関係は、本質的に、異なります。例えば、お父さんの大工さんが、机やイスやベッドを造りました。しかし、お父さんは息子を造ったのではありません。お父さんと息子の関係は、同じいのちを共有する関係です。造られた机やイスやベッドとは、本質的に異なります。御子は、造られたのではありません。御子はおられたのです。ことばはあったのです。つまり、存在したのです。造られたのではありません。永遠の初めから、御父と御子は、共におられたのです。人格は異なりますが、ひとつだったのです。イエス様は、ヨハネの福音書の中で、しばしば、「わたしと父はひとつです」と語られています。それでは、ヨハネの福音書の学び、ご一緒に、深めていきましょう。清宣教師
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