きょうの1節では、パウロは「あなたがた異邦人のためにキリストイエスの囚人となった私」として紹介しています。これは、「キリスト・イエスにとらえられている者」という意味ですが、実際に、その時、パウロは福音のために入獄中でした。パウロは、キリストの使徒として、自分自身を紹介していますが、それは、（神の永遠のご計画の中で）、クリスチャンを迫害する道をまっしぐらに突き進むパウロを、ダマスコへの途上で、キリストがパウロを捕えて下さり、使徒として召されたという経緯があります。まさに、主がパウロを捕えて下さらなければ、使徒としての自分はないのです。ですから、パウロは、そのとき、実際にローマ皇帝カイザルの囚人でしたが、むしろ、イエス・キリストの囚人であることの方が、パウロ自身にとっては、大きな意味をもっていたのです。ですから、パウロは、4章1節でも、自分のことを「主の囚人」と表現しています。それから、パウロは、「奥義」について記しています。この奥義は旧約時代には隠されていたもので（3章5節）、新約時代になって、初めて明らかになったものです。その奥義とは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人も、ユダヤ人もみな、御国の共同相続人となる事でした。そして、ユダヤ人も異邦人も、キリストをかしらとした一つの家族である教会に連なることでした。また、異邦人もユダヤ人も、神の約束の恩恵と、永遠の祝福にあずかることでした。そして、これらのことは、「キリストの体である教会」を通して実現していくというものでした。その永遠の神のご計画の実現のために、パウロは異邦人への使徒として召されたのでした。そこで、パウロは、2度目の祈りをしています（3章14節‐21節）。最初の祈り（1章15節―19節）は、父なる神の宇宙規模での深遠な永遠のご計画（神のビジョン）を知ることが出来るように、御霊の助けを求めた祈りでした。そして、この第2の祈りは、御霊により、神の民として召された者、教会という神の家族に加えられた者たちが、神のビジョンの通りに生きることが出来るようにとの祈りです。神の究極のご計画は、天にあるものも地にあるものも、いっさいのものが、キリストにあって、一つに集められることです。この実現のために、この地上に教会が設立されました。ですから、教会は神の深いビジョンを理解し、真に贖われた共同体になることが求められています。そして、教会という全く新しい共同体が、神のビジョンを実際に実行することにより、教会を通して、神の御計画が成就するということです。そのための祈りが3章14節‐21節です。1章および2章と同様に、「あなたがた」と記されている個所を、みなさんの名前（〇〇〇）に置き換えて読んでみて下さい。自分の立ち位置が鮮明になると思います。今、新型コロナウィルスの蔓延で世界中の政府が国民の自由を制限し、協力を求めています。この事態は一時的であり、新型コロナウィルスによる災害も必ず収束するに違いありません。しかし、奇しくも英国の首相が、世界連邦政府の樹立を提言したという事柄をみてもわかるように、黙示録に記されている世の終わりの近いことが示されています。これから、この地上にはさらなる災害が訪れる時期が近づいています。玄関の外でドアをノックしておられるキリストを迎え入れ、真に贖われた共同体として整えられ、神の前に成長することが求められています。私たちは神のご計画の中心にいる存在です。主日礼拝に集まることも困難な状況にあるこの機会に、御霊により、私たちの内なる人が強くされるように、共に祈り求めましょう。
清宣教師
