最後の第7の封印が解かれ、いよいよ、巻物の中身が明らかになります。すると、今度は、7つのラッパが鳴り響くことになりました。第1のラッパ、第2のラッパ、第3のラッパ、第4のラッパ、ここで8章がおわり、ついで、9章に入り、第5のラッパ、第6のラッパが吹き鳴らされます。そして、そのまま、10章、11章に入り、11章15節で、第7のラッパが吹き鳴らされます。そのあとの12章から15章までは、第7のラッパの7つの鉢の災いの準備期間です。そして、16章から第1の鉢の災い、第2の鉢の災い、第3の鉢の災い、第4の鉢の災い、第5の鉢の災い、第6の鉢の災い、そして第7の鉢の災いへと続きます。17章から18章にかけて、バビロンの審判、19章に入ると、子羊の婚宴、地上再臨の主について描かれています。一方で、19章から20章まで、反キリストとその従者たちの審判、サタンの審判、最後の大審判へと続きます。21章から22章では、新天新地、終極の展望、結びのことばとなっています。では、もう一度、8章の1節に戻ります。小羊が第7の封印を解いたとき、天に半時間ばかりの静けさがありました。いよいよ最後の7番目の封印です。「台風の前の静けさ」ということばがあります。いかにも不気味な静けさです。神が大きなことをなされるとき、聖なる静けさを伴うものです。この静けさは、ある意味、神の徹底した忍耐、神の慈愛を表すものとも考えられます。さて、天使たちにラッパが与えられました。ラッパは、神の民にとってなじみの深いものでした。戦いのとき、祭礼のとき、王の即位のとき、民の召集のときなど、ラッパが吹き鳴らされました。地上における神の民の祈りは、ひとつも無駄になることなく、金の香炉に蓄えられ、神の前に、かぐわしい香りとなって立ち昇るのです。それらの神の民の執り成しの祈りが満ちたとき、その香炉が地に投げつけられて、その祈りは、雷鳴と声と稲妻と地震を引き起こしました。このような艱難時代の真っ只中にあっても、聖徒たちの執り成しの祈りが聞かれる形で、主の審判が始まります。6節に御使いたちがラッパを吹く用意をしたと記されています。「用意をした」という表現は、あらかじめ準備を整えたということ、周到な準備がなされた結果を表しています。十字架と埋葬と復活という神の救いのご計画は、周到な準備の末に成就しました。同じように、最後の審判のひとつひとつが、綿密な計画と準備のもと実施されることを表しています。
第1のラッパが鳴ると、天から雹と火が現われ、地上の3分の1の土地が焼け、森林の3分の１も焼け、青草が全部焼けてしまいました。これによって更なる食糧不足が訪れます。第2のラッパが鳴ると、火の燃えている大きな山のようなものが海に投げ込まれました。この描写は、巨大な隕石が大洋に墜落した光景、あるいは、核爆弾が投下された光景にも似ています。そして、海の3分の1が汚染され、海洋生物の3分の1が死に、船の3分の1も打ち壊されました。そして、第3のラッパが鳴ると、燃えている大きな星が天から落ちて、水源に落ちました。その星の名は「苦よもぎ」でした。ロシア語では、「チェルノブイリ」という名前は「苦よもぎ」であると言われています。それで1986年の原発事故を指すと解釈する人もいます。一般的には、この星とは近代化学兵器、あるいは堕天使（黙示録では星は天使を指すことがある）と解釈されます。そのため、川の水の3分の1の水が汚染され、多くの人が死にました。第4のラッパが鳴ると、太陽と月と星の3分の1が光を失いました。自然現象としては、火山が爆発すると、火山灰が大気圏を覆い、このような現象が起こる事が知られています。あるいは、核戦争の影響でこういうことが起こるのかも知れません。このとき、中空を飛ぶわしが、地上にいる人々に警告を発しました。この「わし」とは、ジェット機のことかも知れません。いずれにせよ、この黙示録の預言のことばが、以前には、到底ありえない光景として認識されていたのに、現代に生きる私たちにとっては、ありえない光景ではなく、大いにありえる光景に代わってしまいました。ここで「わざわい」ということばが3回も繰り返されていることは、この後に起こる災害の激しさを強調していると考えられます。
清宣教師
