この辺から、人によって解釈が大きく異なってくるので、メールで解説するのは難しいところです。12章から14章は、11章と15章の間に挿入されたエピソードのような個所です。何故なら、11章の後半で第7の御使いがラッパを吹き鳴らしており、15章から7人の御使いが登場し、最後の7つの災害が再開されるからです。ところで、12章と13章の内容ですが、大別すると、過去に起こったことと解釈する立場と、これから大患難時代に起こる未来の描写と理解する、ふたつの立場があります。1節の描写は、創世記に記載されているヨセフが見た夢(創世記37章9節~10節参照)に似ているので、ヨセフが見た夢との関連で解釈する人が多いようです。ヨセフが夢で見たのは、太陽と月と11の星でしたが、それぞれ、太陽はヤコブ(父親)、月はラケル(母親)、星はヨセフの兄弟たちでした。このことから、太陽はヤコブ、月は産みの苦しみをするイスラエル、星は12部族という解釈があります。そのほか、太陽はキリスト教、月は太陰暦を用いるイスラム教、星は現代のイスラエルという解釈もあります。次に3節に登場する「大きな赤い竜」とは、サタンであり、7つの頭と7つの冠は、イスラエルを支配した7つの国々と支配者、10本の角とは、反キリストと共に世界を支配する10人の王たちを示しています。4節の天の星は天使たちと理解します。旧約外典などを参考に、天使たちは、ガブリエル、ミカエル、ルシファーの3人の大天使(天使長)がおり、3人はそれぞれ、天使たちの3分の1を統治していたと考えられています。それで、ルシファーが、天使たちの3分の1を味方につけて神に反逆した結果、天使たちの3分の1が地に落とされたと理解します。天に戦いが起こり、ミカエルと天使たちがルシファーとその配下の天使たちを天から追い出したのです(7節~9節)。4節の女が産もうとしている子(原語では息子)とは、「鉄の杖をもってすべての国々を牧するはずである(5節)」という表現から、これはメシヤであるイエス・キリストを指していると考えられます。すると、この子を産もうとしている母とは、キリストが現れる母体としてのイスラエルを指していると考えられます。女は子を産んだのち、1260日の間、神が備えられた安全な場所(荒野)で守られます。1260日とは、当時の太陰暦による1年を360日とすると、ちょうど3年半になります。つまり、大患難時代(7年間)の後半の3年半となります。そして、天上での戦いがおこりました(7節)。ミカエルと天使たちの軍団が、ルシファー(サタン)と堕天使たちの軍団に打ち勝ち、ルシファー(サタン)と堕天使たちは天の世界から追放されて地上に投げ落とされます。そこで天において大きな勝利の声が響き渡りました(10節~12節)。最後まで信仰に堅く立った殉教者たちを称賛しています。さて、地に落とされた竜(サタン)は、神の救いの計画(再臨と審判)を阻止しようとして、ユダヤ人を滅ぼそうとしてイスラエルの絶滅計画を立てました。ナチスがユダヤ人を執拗に追及して、600万人を大量虐殺しましたが、再び、反キリストはユダヤ人の絶滅計画を立てます(13節)。しかし、神はイスラエルに対して大鷲のふたつのつばさ(奇跡的な神の守り)を与えられ、ひと時とふた時と半時(つまり、3年半、1260日の間)荒野(安全な場所)で養われるためでした。ところが、蛇(サタン)は彼女(イスラエル)を大水(大軍勢)で襲います(15節)。しかし、地(ユダヤ人を守ろうとする勢力)は女(イスラエル)を助け(16節)と記されています。すると、竜はユダヤ人だけでなく、イエスの証しを保っているキリストを信じる者たちに対しても激しい憎悪をもって出て行きました。そして、サタンは、海辺の砂の上に立つのでした。いよいよ、本格的な悪のわざを仕掛けようとするサタンの不気味さが漂っています。この12章に見られるサタンの特徴をまとめると、第1に、純粋な魂の最後のひとかけらさえも食い尽くさないではおかない獰猛さ、第2に、獲物に食いついて離れない執拗さ、第3に、その性質は欺瞞に満ちていることです。クリスチャンは、主にあってのみ、サタンに勝利することが出来ます。

清宣教師