いよいよ、ヤコブがラバンのもとを離れる時が来ました。ラバンとその息子たちが、ヤコブに対して敵対心をあらわにするようになりました。そのとき、主がヤコブに語って下さいました。「あなたが生れた、あなたの先祖の国に帰りなさい。わたしはあなたと共にいる」(3節)。ヤコブが家を出てから約20年の歳月が過ぎていました(41節参照)。ヤコブがラバンのもとで過ごすことにより、レアやラケルと結婚して、こどもたちが与えられ、しかも、多くの財産も与えられました。それは主が祝福して下さったからでした。ある意味、ヤコブは逆境の中を通りましたが、主はそれを益に変えてくださいました。主の御計画に失敗はありません!!!さて、ヤコブはこれまでの経験から、ラバンのずる賢い性格を良く知っていました。それで、レアやラケルを秘密裏に呼び寄せ、脱出の計画を知らせました。レアもラケルも、父親ラバンの性格を良く知っていましたので、「私たちは父によそ者と見なされているのではないでしょうか。彼は私たちを売り、私たちの代金を食いつぶしたのですから、・・・」(14節―16節)と言って、夫ヤコブの提案に賛成しました。そこで、ヤコブは直ちに行動を起こして、ラバンには告げずに、父イサクのいる故郷の地へと出発しました。3日後に、ラバンは、ヤコブの逃亡に気が付いて、そのあとを追います。ラバンは7日間の道のりを追跡し、遂に、ヤコブの一行に追いつきました。しかし、その前の晩、主がラバンにあらわれて、「あなたはヤコブと、事の善悪を論じないように気を付けよ」(29節)と告げられました。主は大事な時に、介入して下さるお方です。ハレルヤ。ついに、ラバンの一行はヤコブの一行に追いつきました。そして、ラバンとヤコブが対面します。ラバンの所有する偶像に関わる一連の騒動(30節―35節)のあと、ヤコブは今までの不満を一気にラバンにぶつけました(36節―42節)。ラバンはラバンで、「娘たちは私の娘、子どもたちは私の子ども、群は私の群、すべてあなたが見るものは私のもの・・」と言い返します(43節ー)。お互いの立場が異なると、まったく、お互いに異なる論理に立つので、お互いの主張は平行線のままになります。しかし、結論は、お互いの利益のために、お互いに攻め入ることがないようにとの合意の上で、境界線を定めました(44節―50節)。そこに記念の石塚を建てて、食事をして、正式に契約を交わしました(51節―54節)。もしも、主が介入してくださっていなかったら、どうなっていたことでしょうか。ほんとに、主は素晴らしいお方です。このような紛争にも、介入してくださり、平和的な解決へと導いて下さいました。ラバンは娘たちや孫たちに口づけしてお別れの挨拶をして、そして、ラバンは彼らを祝福しました(55節)。父ラバンとしても、娘たちや孫たちを祝福して別れることになり、気持ちのよい別れとなったことと思います。ヤコブにしても、最後の別れが、良い形の別れになったので、主に感謝したに違いありません。今日も見てきたように、すべての問題は、祝福の門口です。主が介入して下さる時、真の解決が与えられます。今、あなたが直面している難しい問題に関して、主が介入して下さるように、父なる神に祈ります。

清宣教師