40章と41章の間のブランクの期間、この2年間、ヨセフは、今か今かと釈放の時を待ち受けていたと思います。そして、41章でついに、主の御計画が動き始めました。献酌官が忘れていたのは、神のご計画の一部でした。ヨセフの忍耐の学校は、卒業を迎える時が来ました。獄屋から王宮へと道が開かれたのです。そのことの次第は、こうでした。エジプト王パロが夢を見ました。その夢は、現実味を帯びていて、すぐに忘れるようなものではありませんでした。パロの心には胸騒ぎがありました。エジプト中のすべての呪法師やすべての知恵のある者たちを召して、夢の解き明かしをするように求めましたが、誰一人、答えることが出来る者はありませんでした。そのとき、献酌官長の心にヨセフのことが思い出されました。そこで、献酌官長は、獄中での経験をパロに申し上げました。その結果、その夢の解き明かしのために、獄中のヨセフを王宮のパロの前に呼び出すことになりました。急いで、獄中に行き、ヨセフの髭を剃り、立派な着物に着替えさせてから王の前に召し出しました。そこで、パロは、ふたつの夢のことを説明しました。ひとつは、肉付きの良い7頭の雌牛が7頭の痩せ細った雌牛を食い尽くしたという夢でした。もうひとつは、肥えた7つの穂が、しなびた7つの穂を飲み込んでしまったという夢でした。この夢を聞いたヨセフは、最初に、このふたつの夢は、神がこれからなさろうとすることをパロに伝えるために与えられたこと、第2に、まず、7年間の豊作がエジプトに訪れ、そのあと、7年間の大飢饉が訪れることを意味していること、第3に、夢が2回、繰り返されたのは、このことが神によって定められたゆえに、確実に、速やかに起こること、であると、夢の解き明かしをしました。そして、次に、「さとくて知恵のあるものを、エジプトの政策責任者として任命し、国中に、監督官を任命して、ただちに将来に備える行動をとるように」、進言しました。ここでは短いことばで記されていますが、実際には、具体的に、詳細な対応策を進言したと考えられます。そこで、パロは、家臣たちを説得して、ヨセフにエジプトを治めてもらう政策責任者、つまり、総理大臣として、治めてもらうことを提案しました。家臣たちも納得したようです。そこで、パロは、ヨセフのために、自分の指輪を手から外して、それをヨセフの手にはめ、亜麻布の衣服を着せ、その首に金の首飾りの輪をかけて、正式に総理大臣として任命しました。さらに、ヨセフに対して、ツァフェナテ・パネアハ(神語る、彼生きん、大地の糧は生命、祈りの支え手)という名を与えました。それから上流階級の祭司の娘アセナテ(女神ノエテに属する者)と結婚させました。ヨセフは、任命後、早速、エジプト全土を巡り歩きました。そして、それぞれの作付や収穫量、それぞれの土地の状況などを把握しました。そして、豊作の年に、7年間の食料を貯えました。7年もの豊作が続くと、飢饉を忘れて、穀物の備蓄に反対する者も現われはじめてもおかしくない状態でした。しかし、ヨセフは、忠実に、穀物の備蓄政策を堅持しました。そして、いよいよ、大凶作による飢饉がおとずれるのです。この間に、ヨセフには、妻のアセナテにより、二人の子を与えられました。長男はマナセ(忘れる)と名づけました。「神が私のすべての労苦と私の父の全家とを忘れさせたから」でした。次男はエフライム(実り多い)と名づけました。「神が私の苦しみの地で、私を実り多いものとされたから」でした。こうして、ヨセフは、過去を清算し、未来に向かって積極的に取り組もうとしたのです。

今日の個所で、ヨセフは、神からの夢の解き明かしを行なっただけでなく、それを適用する具体策を入念に考えました。私たちも、神様からのみことばを、自分の人生に具体的に適用することが肝要です。きょう、私たちに与えられている神のみことばを、自分の人生に当てはめて、具体的に適用してみましょう。

清宣教師