出エジプト記も最後の40章となりました。
1節~33節では、いよいよ、準備が整い、エジプトを出てから2年目の第1の月の第1日に、幕屋が建てられました。この日は、意味のある日でした。出エジプト記12章2節には、次のように記されています。「この月をあなたがたの月の始まりとし、これをあなたがたの年の最初の月とせよ。」。そのあとに、ちょうど1年前の日でしたが、過ぎ越しの祭りのカウントダウンが始まりました。その過ぎ越しの記念の日の1年後に、イスラエルの民は、すべての敵から自由になり、こうして、神の民として、イスラエルの父祖の神である主のために最初の幕屋を建てようとしているのです。そして、この幕屋が立てられてすぐ後に、過ぎ越しの祭りを祝うことになっているのです。
ただし、この建物は幕屋であり、あくまでも、移動式のものでした。会見の天幕(至聖所、聖所)が建てられ、その中に、契約の箱(あかしの箱)、香檀、燭台、供えのパンの机などがセットされました。会見の天幕の外庭には、洗盤、祭壇が設置されました。また、外庭の周囲も幕で囲いました。それから、すべての器具が油注ぎによって聖別されました。そのあと、大祭司や祭司が油注ぎを受けて、さらに、洗盤で手と足を洗い、会見の天幕での奉仕にあたることになりました。こうして、モーセはその仕事の一切を終えました。
34節~37節では、一切が整えられた時、会見の天幕は主の栄光で満たされました。その栄光のゆえに、モーセも天幕に入ることが出来ないほどでした。こうして、主は、この会見の天幕をご自分の栄光をもって祝福して下さいました。主の栄光が幕屋に満ちたと記されています。御父はどんなに民との交わりを求めておられたことでしょうか。民の間に造られた住まいをご覧になり、どんなに喜ばれたことでしょうか。そして、主はモーセに告げられたように、民と歩みを共にされるのです。そのための移動式の天幕でした。
そして、これ以後、イスラエルの民は、荒野での旅の間、ずっと、神と共に歩むことになりました。天幕の上に主の栄光の雲が留まっている間は、民たちも留まっていました。天幕の上から主の栄光の雲が上ると民たちも出発しました。昼は主が雲の柱として、夜は主が火の柱として、民たちと共に歩まれました。荒野(砂漠)においては、昼は民たちのために日陰を提供し、夜は民たちのために暖かさを提供しました。主の教会も、荒野の中を、主と共に前進していきます。主イエス様は、弟子たちに宣言されました。「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイの福音書、28章20節下)。
きょう、出エジプト記を終わりましたが、出エジプトの出来事は、イスラエルの民にとって、新しい歴史のスタートでもありました。主のみわざが著しく表れた時でもありました。そして、今日の幕屋の完成式では、主の栄光が目に見える形で、圧倒的な栄光で現われました。しかし、このあとのイスラエルの民たちの歩み、イスラエルの建国の歴史は、残念ながら、この出エジプトの恵みを忘れるような歩みでした。私たちも、主イエス様を信じてバプテスマを受けました。そして、今があります。最初の感動が薄れていくとき、私たちの歩みもいい加減なものになってしまいます。初めの愛に立ち返りましょう。そして、いつの日か、主の前に立つ時、「よくやった。良い忠実なしもべだ。おまえはわずかな物に忠実だったから、多くの物をまかせよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。」(マタイの福音書25章21節)と主から言われるように!
清宣教師
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