1章~10章では、聖所を中心にしたささげ物(いけにえ)と祭司制度に関する教えでしたが、今日の11章からはイスラエルの民が、神の民として日常生活の中で守るべきことが教えられています。
まず、11章では、章の末尾に示されているように「汚れたもの」と「きよいもの」、「食べてよい生き物」と「食べてはならない生き物」に関する規定が記載されています。このレビ記11章の分類は、創世記1章の分け方とは異なります。現代生物学の分類とも異なります。レビ記11章の分け方は、独特のものです。しかし、イスラエルの民にとってはとても重要なもので、日常生活に密接にかかわるものでした。ここでは、大きく、「食べて良い動物(食べてよい生き物)と食べてはならない動物」(3節~8節)、「食べてよい魚類(水の中にいるすべてのもの)と食べてはならない魚類」(9節~12節)、「食べてよい鳥と食べてはならない鳥」(13節~19節)、「食べても良い羽があって群生し四足で歩き回るもの、食べてはならないもの」(20節~23節)、「食べても良い四つ足で歩き回るすべての生き物」(24節~28節)、「地に群生するもの」(29節~45節)に分けています。これらの分類の視点は、罪からのきよめと贖いの視点で分類されていると考えられます。これらの規定は、本来、霊的な意味をもっていると考えられます。そこで、ひとつひとつ、霊的な意味を探ってみるとき、何か隠された深い意味を発見することができるかも知れません。例えば、反芻する動物でひずめが完全に割れているもの動物が食べてよい生き物、きよい生き物に分類されていますが、このことから、神のみことばを反芻すること、また、足は日常生活での歩みを表し、世の教えから完全に分離していること(ひづめが割れている)を表していると考える人もいます。詩篇1篇2節には「その人は主の教えを喜びとして、昼も夜もその教えを口ずさむ(反芻するという意味です)」と記されています。また、1篇1節には、「罪人の道に立たず」と記されています。まだまだ、霊的な意味が隠されているものと思われます。なにか、イエス様の例え話のようですね。聖なる神は、ご自身を「聖」とされました。ですから、神の民であるイスラエルの民もまた、日常生活の中で、食べてよい生き物と食べてはいけない生き物、汚れているものの区別を意識して生活するように勧められています。
では、このような規定が存在するようになった理由について考えてみましょう。もともと、創世記1章の最初のエデンの園の世界では、汚れた食べ物はひとつもありませんでした。ただ、アダムとエバが創造主に背を向けて、自分中心の生き方を選択した結果、生き物の世界における秩序が乱れてしまったのです。その結果、危険な生き物が生じるようになりました。毒をもつものも現われるようになりました。つまり、汚れた存在が出現するようになったのです。そのような世界では、食べ物に関しても、創造主なる神様からの注意深い指示が必要だったのです。しかし、キリストによる罪の贖いが完了した新約時代においては、神は、ペテロに対して「神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない」(使徒の働き10章15節)と語られ、すべての食物は感謝を持って食する時に、もはや汚れたものやきよいものという区別は必要ないことが示されています。クリスチャンは、豚肉も、牛肉も、鶏肉もみな、感謝を持って食することが出来ます。ただ、寄生虫や病原菌など、注意すべきことは当然です。食べるにも、飲むにも、神様の栄光を表すことが大原則です。
きょう、食べ物、着物、住む家など、改めて感謝のことばを主に捧げようではありませんか。主よ。すべての必要を満たしてくださることを感謝します。
清宣教師
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