22章~24章は、バラクとバラムのことが記されています。名前が似ていますが、バラクはモアブの王様、バラムは雇われ呪術者です。モアブの王であるバラクは、イスラエルの民に脅威を感じました。申命記2章9節を読むと、イスラエルにはモアブを攻撃しようという意図はありませんでした。しかし、モアブの王バラクは、ミデヤンの長老たちに相談をもちかけ、策略をめぐらしました。その結果、遠くユーフラテス河畔にいた呪術者バラムに呪いをかけてもらうことにしました。それで、モアブの王バラクは、長老たちを遣わしてバラムを呼び寄せようとしたのですが、バラムは断りました。バラムは呪術者ではありますが、主のことばを聞くことのできる人物でした。バラムは、「あなたは彼らと一緒に行ってはならない。またその民を呪ってもいけない。その民は祝福されているからだ」という神のことばを聞いていたからです。しかし、バラクは何とかしてバラムを呼び寄せようとして、今度は前よりも大勢のしかも位の高い者たちを遣わしました。そこで、バラムは、再び断りましたが、結局はバラクのもとへ出かけることにしました。その時、あの不思議なことが起こりました。ロバは前に進もうとせず、何度もバラムにムチ打たれました。しかし、とうとうロバは、その場にうずくまりました。そこで、バラムは怒りを燃やして杖で、ロバを打ちたたきました。その時、バラムが乗っているロバが、バラムに語ったのです(28節~30節)。そして、ついに、主がバラムの目のおおいをのぞかれたので、主の使いが、抜身の剣を手に持って、道に立ちふさがっているのを見ました。そこで、バラムはひざまづいて、伏し拝みました。主の使いは言いました。「なぜ、あなたは、あなたのロバを三度も打ったのか。敵対して出てきたのはわたしだった。あなたの道がわたしとは反対に向いていたからだ。」(32節)。それから、バラムは主からの警告を受けました。「この人たちと一緒に行け。だが、わたしがあなたに告げることばだけを告げよ」(35節)という警告でした。こののち、バラムは王様バラクの出迎えを受けて、丁重にもてなされました。バラクは、イスラエルの民を呪ってもらうために、翌朝、バラムをイスラエルの民の一部を見ることができる高台に案内しました。その後のことは23章に記されています。
さて、今日の個所ですが、動物のロバが口を開いたのですが、動物も人間と語ることができるのでしょうか?創造主なる神が、動物たちに人間に語る能力を備えられたのでしょうか?そのように解釈するよりも、主がロバを通して語られたのだと解釈するのが妥当と思われます。なぜなら、聖書の他の個所で、動物が語っている個所は、一か所だけです。それは創世記3章で蛇がエバに語りかけている個所です。しかし、この場合も、サタンが蛇を通して語ったと解釈するのが妥当であると思われます。
主はわたしたちに、ことばをもって語りかけられますが、それだけでなく、あらゆる方法で語りかけられます。「天は神の栄光を語り告げ・・・」(詩篇19篇1節)。創造主の作品も、私たちに語りかけています。また、さまざまの出来事も、神様が私たちに語りかけられる手段のひとつです。もし、私たちが、イライラしたり、あるいは、思うようにならない時、一歩退いて「そこに意味があるのではないか」と考えることです。その時こそ、神様の御計画に気付いて軌道修正するチャンスがあるのです。
清宣教師
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