そのあと、イスラエル人は、またまた、主の前に悪を行いました。主はハツォルで治めていたカナンの王ヤビンの手にイスラエルを売り渡しました。ヤビンの将軍はシセラで、彼はハロシェテ・ハゴイムに住んでいました。ヤビンは鉄の戦車九百両を持ち、二十年の間、イスラエル人をひどく圧迫しました。それで、イスラエル人は主に救いを叫び求めました(3節)。そこで、主は第4番目の士師として、女預言者デボラを起こされました。デボラは、アビノアムの子バラクを呼び寄せ、タボル山に進軍するように命じました。バラクは女預言者デボラが、彼と一緒に出陣することを求めました。デボラは、バラクの申し出を受け入れました。そこで、バラクはゼブルンとナフタリの軍勢一万人を引き連れてタボル山へと上って行きました(10節)。
一方、将軍シセラは、イスラエルの民がバラクを指導者として、タボル山に登り、立て籠もっていることを知らされました。そこで、将軍シセラは、鉄の戦車九百両全部と、自分といっしょにいた民をみな呼び集め、イスラエルの反乱を鎮めるために、タボル山を目指して行軍しました。その頃、女預言者のデボラはバラクに対して、「きょう、主があなたの手にシセラを渡される。」と宣言しました。それで、バラクは1万人を引き連れて、タボル山を下りて、敵の陣地に向かいました。シセラとそのすべての戦車がバラクに襲いかかろうとしたとき、主が介入して下さいました。突然、星が暗くなり、豪雨が襲いました。それで、平原は泥沼となり、戦車の車輪がぬかるみにはまり、なんの役にも立たなくなりました。一方、キション川は荒れ狂う急流となり、氾濫して、シセラの軍勢を押し流しました(5章20節、21節参照)。ついに、将軍シセラは戦車から飛び降り、徒歩で逃げだしました。バラクは敵を追い詰めて殲滅しました。しかし、シセラは徒歩で逃げだしました。そうして、知り合いのケニ人ヘベルの妻ヤエルの天幕に逃げこんだのでした。そして、結局、将軍シセラは、へベルの妻ヤエルの手によって、殺されました(22節)。それから、イスラエル人の勢力がますますカナンの王ヤビンを圧するようになり、ついにカナンの王ヤビンを断ち滅ぼして、ヤビンの支配から脱しました(24節)。
この時代、男性が女性の上に立つのが当たり前の時代でした。しかし、バラクは、謙遜に、主が立てられた女預言者デボラに従い、しかも、デボラと共に戦いました。バラクは、デボラを自分と同じ戦士としてではなく、女預言者としてのデボラと共同戦線を張ったのです。主のみこころは、男性と女性とが互いに、自分の立場にあって、互いに力を出し合い、支え合うことでした。これこそ、奇蹟がもたらされた大きな要因と考えられます。神はご自身のかたちに、男と女とを創造されたのです。男だけでなく、女だけでなく、男と女とに創造されたのです。それは男性と女性が力を合わせて、神のみこころを果たすことでした。主のご計画を果たすために、主が求められているのは、男性と女性の二人三脚です。きょう、デボラとバラクをお手本として、私たちの働きを見直してみましょう。男性だけで、あるいは、女性だけで、主のご計画を推し進めようとはしていませんか? 両方の一致と協力が、主のご計画を成就させる大きなカギなのです。
清宣教師