キルヤテ・エアリムの人々は、主のご計画の中にあると信じたのでしょう。喜んで、主の契約の箱を町へ運び上げました。そして、丘の上のアビナダブの家に運び、彼の子エルアザルを聖別して、主の箱を守りました。それは熱狂的な歓迎ではありませんでした。主なる神への畏れを伴う静かな歓迎でした。その状況は、20年も続きました。こうしている間に、神のご計画は進行していました。あたかも、地に深くまかれた種が、休眠の時を経て、発芽の時を待つような静けさに満ちた期間でした。神の箱はイスラエルの地にある一方で、ペリシテ人による支配が続き、イスラエルの相続の地では、バアルやアシュタロテの異教の偶像が、街中に祭られて、あたかも、イスラエルの地は多神教の様相を呈していました。それは、ペリシテ人の支配下での偽りの繁栄と偽りの平安でした。イスラエルの民は、次第に、その状況に満足できず、出エジプト以来の主を慕い求める心が、民全体に広がって行ったのです(1節~2節)。そのころ、主はサムエルを通して、イスラエルの全家に呼びかけました。外国の神々やバアルやアシュタロテの偶像をことごとく、一掃し、主にのみ仕えるなら、ペリシテ人の支配から解放するという、主からの約束のことばでした。そこで、イスラエルは、主にのみ仕えるという決断をして、実際に、異教の神々や偶像を、彼らの町から一掃しました。そして、彼らは、あのミツパに集まりました。ミツパとは、かつて、ベニヤミン族が忌まわしいことをしたときに、ベニヤミンを除く全部族が、イスラエルの中から忌まわしいものを一掃するために集まった場所でした(士師記20章1節、2節参照)。そのミツパに、イスラエルの全部族は再び集まり、主の前に断食の時を持ちました。それは、悔い改めの断食でした。そこで、サムエルが全イスラエルをさばきました。15節には、「サムエルは一生の間、イスラエルをさばいた。」と記されています(3節~6節)。
さて、イスラエルの全部族が、ミツパのサムエルのもとに集まったことを聞き付けたペリシテ人は、これはイスラエルによるペリシテ人への反逆であると理解して、ペリシテ人の全領主が、軍勢を率いてミツパに攻め上りました。これを聞いたイスラエル人たちは、非常に恐れました。十分な備えはありません。ただ、ひたすら、サムエルを通して、主に拠り頼む以外にありませんでした。「私たちの神、主に叫ぶのをやめないで下さい。」とサムエルに懇願しました。そこで、サムエルは主の祭壇を築き、そこに全焼のいけにえを捧げ、サムエルはイスラエルのために、主に叫びました。そして、主は答えられました。ペリシテ人が攻め込んできたとき、彼らの上に、大きな雷鳴をとどろかせ、地には激しい稲妻と落雷があったので、彼らの隊列は乱れ、浮足だったので、イスラエル人に打ち負かされました。そこで、ミツパに集結していたイスラエルの全軍勢も、ペリシテ人の軍勢の後を追い、ベテ・カルの下にまで、追い払うことが出来ました。サムエルは、そこに一つの石を記念として置きました。「ここまで主が私たちを助けて下さった」という意味で、「エベン・エゼル」という名をつけました。こうして、ペリシテ人の支配から解放されたイスラエルは、サムエルの裁きのもとで平和を取り戻しました。サムエルは、最後の、そして、最大の士師としての役割を果たしました。サムエルは、預言者(先見者)として、また、祭司として、また、士師として主に仕えたのです。
もろもろの神々や偶像を取り入れても何の矛盾も感じない世界が多神教の世界です。今の日本もそうですね。もろもろの宗教に、もうひとつの宗教としてのキリスト教を加えるのであれば、なんの違和感もなく、取り入れられる日本の社会です。しかし、いったん、創造主であり、救い主であるキリストこそが、唯一の真の神であると主張し、このお方にのみ礼拝を捧げることを主張するなら、排他的なものとして社会から退けられます。今から、時代は大きく変化していきます。唯一の真理を信じるのか、偽りとの妥協か、問われるときがやってきます。キリストの熱い愛を胸に、御霊によって生きるクリスチャンであることを、世に示す時が近づいています。私たちのうちに、リバイバルを与えて下さい。清宣教師
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