きょうの個所は、一言で言えば、主の助けによりダビデが連戦連勝の祝福にあずかったことが記録されています。
1節―2節:ペリシテ人(イスラエルの西側の国)に対する勝利、モアブ人(イスラエルの南東に位置する国)に対する勝利。モアブとは良い関係にあったはずですが、ここには記されていない出来事があり、このような殺戮になったようです。3節―8節:ツォバ(イスラエルの北の国)の王とアラムの軍勢を打ち破り、勝利を収めました。9節―12節:ハマテ(イスラエル北方の国)は以前からハダデエゼル(イスラエルの北方の国)と敵対関係にあったので、ハダデエゼルに勝利したダビデにお祝いの品を送りました。これらの贈り物は、主に奉献されました。やがて、神殿建設の資材となったと思われます。13節―14節:主は、エドム(イスラエルの南の国)に対する勝利をもたらされました。こうして、ダビデは、イスラエルの周囲の国々を征服しました。主が約束されたように、主はダビデ王家を揺るがないものとして建てられました。15節―18節:ダビデは軍団長、参議、祭司、書記などを任命して、イスラエルを治めました。
今日の個所の中で、14節から15節にかけて、大事なことが記されています。それは、「主がダビデの行く先々でダビデに勝利を与えられた」(14節)という記述です。ダビデの勝利は、ダビデやその部下たちの並外れた能力によるのではなく、あくまでも、主の恵みによるものでした。それを確認させるかのように、記述しています。また、「ダビデはイスラエルを治め、その民のすべての者に正しい裁きを行なった」(15節)と記述しています。ダビデが主によって選ばれ、王として立てられ、周囲の諸国を治めたのは、まさに、主のご計画によるものでした。主は、主ご自身に代わって、すべての民に正しい裁きを行わせるために、王を建てられるのです。ダビデはそのことを知り、主のみこころのままに、実行しました。ですから、ダビデは大いに祝福されて、イスラエルとその周辺を平定しました。とはいえ、戦いによる勝利には必ずしも喜びだけではなく、なにか負の部分を残すような気がします。しかし、ダビデが、主の知恵をいただき、平和と正義による善政を敷くことにより、その負の部分も埋められていくのだと思います。
ところが、サタンが暗躍する世です。平和と正義による善政が長続きしないのがとても残念です。ダビデの老年期による混乱(息子たちの反逆など)、そして、ソロモンの空前絶後の繁栄、しかしやがて重税による圧制と民の苦しみに代わります。非常に残念です。主の祝福と恵みをいただきながらも、利己的な生き方に変わって行く姿は、私たちに対する重大な警告のように思われます。人生の最後の最後まで、謙遜に、主のみ心に従う人生でありたいと強く願います。古来から「初心忘れるべからず」という諺があります。私たちクリスチャンが、人生を終えるときまで、誠実に、忠実に、謙遜にいきるなら、ハレルヤの大きな歓声で、天の御国に迎え入れられるでしょう。
清宣教師