ソロモン王国の行政体制（1節―19節）：ツァドク、ヨシャパテ、ナタン、アドニラムなど、ダビデ王の時代の人物も、残っていることがわかります。ソロモン王の治世下の繁栄（20節―34節）：繁栄とは民たちが日々、不自由なく暮らすことができること（20節）、また、平和で安心して暮らすことができることです（25節）。しかし、繁栄が何によって支えられているかということが大事です。戦車用の馬4万、騎兵1万2千という記録などを見ると、繁栄の一部として記録されているように見えますが軍事力に頼ろうとする姿勢も見えてくるように思われます。もうひとつ、強調されていることはソロモン王の知恵と英知と広い心です（29節）。ソロモンは知恵だけでなく、箴言や歌、さらには植物や動物の知識についても人並み外れた能力があったことがうかがわれます（29節、32節、33節）。
しかし、このような聖書箇所を読む時、私には盤石にみえるソロモンの繁栄が、次の世代においてあまりにもあっけなく崩壊してしまう歴史を知っているので（11章以降）人の目には盤石に見える繁栄、4章に記されている空前絶後の繁栄も決して盤石ではないことが見えてきて、ある意味、空しさを覚えるのです。やはり、どんな外面的な繁栄よりも、みことばを愛する人たちによって真の平和が築かれていくのだということを知らされるのです。イエス様の山上の垂訓の中で、「平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるから。」（マタイの福音書5章9節）と記されていますが、このみことばがソロモン王にふさわしいとは思えないです。やはり、まことの平和の君、神の御子イエス様にふさわしいです。そして、地の塩、世の光と呼ばれるイエス様の弟子たちにふさわしいように思えます。私たちもまた、ピースメーカー（平和を作る者）として召されています。
きょうの個所から教えられることは、外面的な平和と繁栄は、長続きしないということです。アッという間に、その繁栄と平和が失われる恐れがあるということです（11章以降）。その原因は、次世代への教育が正しくなされなかったということでした。現代に生きる私たちにとっても、次世代への信仰教育の継承こそ、緊急の課題となっています。この世に生きるクリスチャンの世界観、人生観、価値観の土台となる、正しい創造論教育を次世代に継承できるように、共に、お祈りしましょう。
ところで、1953年のきょう、4月27日に世界的な大発見についての論文が英国のネーチャー誌で発表されました。若い英国の二人の科学者、ジェームス・ワトソン博士とフランシス・クリック博士によって発表されたもので、DNAが二重らせん構造をしているというものでした。二つの絡み合った二重らせんは、あたかもジッパー（ファスナー）が開くように2本に分かれて、複製を作ることが出来ます。植物であれ、動物であれ、すべて生きている細胞は、創造主によって設計されたＤＮＡ螺旋構造を含んでいます。こうして、親の遺伝情報が正確に子供たちに伝えられるのです。創造主の作品を通しても、次世代への信仰の継承の基本が示されています。自分たちの信仰のＤＮＡを次世代に確実に伝えることの大切さです。
清宣教師