ダビデは、イスラエル王国を築きあげるため、今まで心に秘めてきたビジョンを実行に移しました。それは「御霊により示されていた」仕様書でした(12節、19節)。ダビデは主から、細部に至るまでのビジョンを与えられていたのです。ですから、すべての近衛軍団の月ごとの割振りも終わったとき、ダビデ王は、すべてのつかさ、千人隊長、百人隊長、係長、宦官、すべての勇士たちをエルサレムに招集しました。そして、ダビデ王は、改めて、主がソロモンを王として選ばれたこと、また、主が神殿を建設する器としてソロモン王を選ばれたことを明らかにしました。こうして、イスラエルの国家的な大事業である、主の神殿の建設にあたり、すべての高官や勇士たちに対して、ソロモン王を助けて、この大事業を成し遂げるように協力を要請しました(1節~10節)。
また、ダビデの子、ソロモンに対して、直接、語りかけています(9節~21節)。その内容は、主に、3つのことでした。第1に、「わが子ソロモンよ。今あなたはあなたの父の神を知りなさい。」と述べています。ダビデが、わが子ソロモンに願った第1の事は、父なる神を知る事でした。すべての土台は、父なる神を知ることから始まる、というのです。第2に、「全き心と喜ばしい心持をもって神に仕えなさい。」でした。100%捧げる心で、しかも、喜ばしい心で主に仕えることは、主が最も喜ばれることです。いやいやながらではなく、喜んで主に仕えることは、イスラエルの民のリーダーとして、理想的な姿です。第3に、「強く、雄々しく、事を成し遂げなさい。」と述べられています。最後までやりとげるということは、忍耐が必要です。また、途中で邪魔が入ったりすることも考えられます。そして、ダビデは具体的に、祭司の組み分けや奉仕の内容など、さらに、各種の奉仕に用いる器具の目方など、詳細にわたって記した仕様書を、ソロモンに渡しました。ダビデのバトンタッチは、見事なモデルです。私たちの教会の奉仕のバトンタッチも、前任者が、心構えや奉仕内容などを記した資料を準備するなどして、後任の奉仕者が迷うことなく、継続できるようにするように勧められているように思います。
清宣教師