ヨラム王は8年間、エルサレムで王であったが、イスラエルの王たちの偶像礼拝の道に歩んだので、主の裁きをうけて、不治の病となり、この世を去りました。そのあと、ヨラムの末子であったアハズヤが王となりました。アハズヤは、北イスラエルの悪名高いアハブの王家にならって南ユダ王国において、偶像礼拝を推し進めました。その理由は、アハズヤの母がアタルヤといい、北イスラエルのオムリ王の孫娘であったからと記されています。アタルヤは、王の背後において、彼を自分の意のままに操り、偶像礼拝の悪の道へと突き進ませたのです。南ユダの王アハズヤは、北イスラエルの王ヨラムと同盟を結び、アラムの王と戦いました。しかし、ヨラム王は負傷し、その傷をいやすためにイズレエルにおりました。そこで、アハズヤ王は、ヨラム王を見舞うためにイズレエルに滞在しておりました。一方、北イスラエルの将軍のひとりであるエフーが反乱を起こして、ヨラム王を殺害しました。そのとき、一緒に滞在していた南ユダの王アハズヤをも、追撃して捕え、処刑しました。こうして、アハズヤの家は南ユダ王国を治める力を失いました(9節)。他方、アハズヤの死を知ったアタルヤは、自分の身の安全のために、ユダの家に属する王の一族をことごとく滅ぼしました。しかし、ただひとり、アハズヤの子であるヨアシュが、王の娘であるエホシェバによって助けられました。しかし、アタルヤが王であったので、ヨアシュは、王の目から隠されて密かに育てられました。アタルヤが王であった時代は、歴史上最悪の暗黒時代でした。バアルの宗教が、主への礼拝にとって代わり、バアルの祭司マタンが、宗教上の最高位についたからです。
最暗黒の中にも、ひとつの灯火が残されていました。ヨラム王の娘であり、主の祭司であるエホヤダの妻が、ヨアシュを密かに隠していたことです。このことは、主のご計画であり、それゆえに、ヨアシュは、アタルヤの目から隠されて生き延びることが出来ました。主はダビデとの契約のゆえにヨアシュを守られたのです(21章7節)。私たちの主は、歴史をも支配されています。独裁者が、信仰者を弾圧し、苦しめる時がありますが、野放しではありません。時が来ると、裁きをなさいます。今、中国や北朝鮮、イスラム圏の諸国で激しい弾圧の下にある兄弟姉妹のために、その信仰が守られるように、ご一緒にいのりましょう。清宣教師