歴代誌を終えて、今日からエズラ書にはいります。そのあと、ネヘミヤ書、エステル書と続きます。エズラ書も、ネヘミヤ書も、エステル書もみな、バビロン捕囚のあとの出来事について記したものです。歴史的には、ユダ王国の滅亡とバビロン捕囚は、紀元前586年のことでした。その後、バビロンが亡び、ペルシャ帝国のクロス王の勅令により、ユダヤ人のエルサレム帰還と神殿の再建が始まったのが紀元前536年のことでした。その後、ペルシャでは紀元前479年、エステルが王妃となりました(エステル書の時代)。紀元前458年、エズラがエルサレムに帰還しました(エズラ書の時代)。そして、紀元前445年、ネヘミヤがエルサレムに帰還して、エルサレムの城壁を再建しました(ネヘミヤ書の時代)。つまり、ペルシャ帝国の時代の出来事です。ペルシャ帝国は、東はインド、西はマケドニヤ、南はエジプトに及ぶ一大帝国でした。
さて、エズラ記1章に入ります。預言者エレミヤによって預言されていたバビロン捕囚からの解放は、ペルシャ帝国のクロス王によって実現しました。クロス王は勅令を出して、イスラエルの民に呼びかけました。それは、「エルサレムに上り、神殿を建てよ」という命令でした。また、捕囚の地に残るものは、エルサレムに上る者たちを支援するように命じました。その呼びかけに対して応じたのは、ユダとベニヤミンの一族のかしらたち、祭司たち、レビ人たちでした。さらに、クロス王は、かつてバビロン軍がエルサレムの宮殿から持ち去った神殿の器具をユダの君主シェシュバツァル(5章14節では総督と記されています)に引き渡しました。金銀の用具は、全部で5千4百もありました。捕囚の間、これらの器具は、バビロンの宝庫で大切に管理されていたのです。そして、それらの器具が、無傷のまま、ユダの君主の手に渡されたのです。あとはこれらをエルサレムに無事に運ぶ仕事が残っていました。主の守りの中で、それらの器具は、無事に、エルサレムに運び込まれました。
創造主なる神は、異邦の王さえも、ご自分の計画を達成するために用いられるお方です(イザヤ書44章28節、45章1節参照)。私たちは、未信者の人たちに囲まれて生活しています。しかし、その中でも、主のご計画は成就します。主は未信者の人たちをも、ご自分の計画に用いられるからです。清宣教師