エズラ記を振り返ってみますと、1章では、主の約束のとおり、クロス王の勅令により、南ユダの捕囚の民が祖国へ帰り主の宮を建設することになりました(1章)。しかし、その後、その地に住んでいた民たちが反対し、さらに、当時の王に偽りの情報を流し、当時の王の命令により宮の工事は中止させられました(4章)。しかし、主はハガイとゼカリヤの二人の預言者を用いて、ヨシュアを奮い立たせて主の宮の工事を再建させました(5章)。そこで、再び、その地の総督のタテナイたちが現場に来て調査を行いました。そこで、ユダの長老たちは、これらのことはクロス王の勅令に基づくものであり、宮の再建を止めることは出来ないと返答しました。それで、総督タテナイは、ダリヨス王にその返答を報告し、クロス王の勅令に基づくものであるかどうか、調査していただくように願い出ました(5章17節)。その結果、ダリヨス王の命令がくだされ、18年前のクロス王の勅令の書簡の存在が確かめられました(6章1節)。そこで、ダリヨス王は、クロス王の勅令のとおりに、神の宮の工事を妨害してはならないこと、それだけでなく、王の収益の中から、すべての工事の必要、また、宮の全焼のいけにえなど必要とされるすべてのものを、毎日、支給するようにとの命令を下しました。もし、この命令に背くならそのものの家の梁は引き抜かれ、その梁にはりつけにされるという厳罰の付則がついていました。そのため、総督たちはこの命令に忠実に従わざるを得ませんでした(13節)。その中で、「こうして彼らが天の神になだめのかおりをささげ、王と王子たちの長寿を祈るようにせよ。」(10節)と付け加えています。ダリヨス王自身が、天の神と呼び、彼らに王家のために執り成しの祈りを依頼しています。ですから、その地の総督たちがダリヨス王の命令に忠実に従ったのは当然のことと言えます。一方、預言者ハガイとゼカリヤの預言の励ましにより、ユダヤ人の長老たちは、宮を建て終えることが出来ました(14節)。そして、宮の奉献式を行いました。また、第1の月の14日には律法に記されているとおり、過ぎ越しの祭を行いました。彼らは7日間、種をいれないパンの祭を喜んで守りました(22節)。主が、アッシリヤの王の心をも、神殿再建の事業に関心をもつように仕向けたからでした(22節後半)。
箴言21章1節に次のように記されています。「王の心は主の手の中にあって、水の流れのようだ。みこころのままに向きを変えられる」。1章では、クロス王の心の向きを、6章では、ダリヨス王の心の向きを、主が変えておられます。ここから教えられることは、主のみこころであるなら、サタンの計略で一時的にストップされることがあっても、それはさらに大きな祝福となるということです。主の宮の再建が、反対者によってストップされましたが、しかし、そのことがキッカケで、より大きな保証が与えられる結果となりました。ハレルヤ!!! 主は主権者です。あなたの上司の心をも川の流れのように自由に変えられます。
清宣教師