11章では、居住地のことが記されています。バビロン捕囚から帰還した民たちは、その中の比較的、上流階級と言われる人はエルサレム市内に住んでいましたが、比較的、貧しい人たちは経済的な理由から、自分たちの農耕地に近いところに住んでいたようです。しかし、城壁の完成後は、治安上の理由からエルサレム市内に住む人たちを募る必要が生じました。それで、くじ引きをして、10人のうち、1人がエルサレムに住むということにしました。つまり、帰還した民の10分の1が、エルサレム市内に住んだことになります。くじ引きをしなければならなかった理由は、エルサレム市内への移住は、民たちにとって不便を伴うことであったと思われます。しかし、民の中には、自発的に、みずからエルサレム市内への移住を決断した人たちがいました。それを知ったひとたちは、その人たちを祝福しました。エルサレムに居住することを決意して登録された最初のグループは、ユダ族のひとたちで、次に第2のグループは、ベニヤミン族のひとたちでした。第3のグループは、祭司たち、第4のグループはレビ人たち、第5のグループは門衛たち、第6のグループが宮に仕えるしもべたち、でした。それから、20節と25節~36節には、エルサレム以外の町々に住んだ人たちのリストがあげられています。彼らはイスラエルの民がカナンに定住した時に分割された先祖代々の相続地に住んだのでした。
今日の個所を通して、最初の相続地に住むことになった人、バビロン捕囚という時代を経て新しい居住地に住むことになった人、そして、この機会に、新しくエルサレム市内に住むことを決断した人たちがいました。それぞれ、新しい時代の訪れとともに、イスラエルの国を復興するために、それぞれの地に置かれたのでした。私たちも、神のご計画の中で、御国を復興するために、それぞれの地に置かれました。そして、時代の流れや環境の変化で、自分の意志に関係なく否応なしに決められた場合もあると思います。しかし、それはすべて主のご計画の中での出来事です。私たちの人生の節目として、神の祝福のご計画の中にあることを信じて、その変化を受け入れる決断も必要です。主の御心がなりますように。
清宣教師