ユダヤ人たちは、エルサレムの城壁を再建するという、ひとつの目的のために、大祭司をはじめ、地区長や、金細工人も、商人も、農家の人たちもみな、心をひとつにして、汗を流して、土木工事をしていました。そこには夢がありました。一方、これらのことを聞いたサヌバラテやトビヤは、ユダヤ人たちの気持ちをくじけさせようとして、さまざまな悪口雑言、また、嘲りのことばを投げかけました。それを聞いたネヘミヤは、直接、反撃に出ることはしないで、主なる神に祈りました。「彼らの罪を御前から拭い去らないでください。彼らは建てなおす者たちを侮辱したからです」。こうして、ネヘミヤをはじめ、民たちが忍耐をもって働くうちに、とうとう、城壁は半分の高さまで修復できました。なにしろ、民たちの間に、働く気がみなぎっていたからです。一方、これまで、これらの状況を静観していたサヌバラテやトビヤたちは、ユダヤ人たちの手で、城壁の修復が予想以上に進んでいることを知り、直接、武力を行使して、エルサレムに攻め入り、城壁の再建をストップさせようと考えました。それを知ったユダヤ人たちは、ネヘミヤの指導の下に、神に祈り、実際的な手段として日夜見張りを立てました。そのことは、ユダヤ人の大きな負担となりました。そして、遂に、ユダの人たちから不平不満が飛び出すようになりました。そして、もう、城壁をきずくことはできない、という思いが、民たちの間に広がり始めていました。他方、敵たちが、武力を持ってやめさせよう、として何度も近づいてきたので、そのたびに、ネヘミヤたちは、防御のために呼び出されました。そこで、ネヘミヤは、民たちを家族ごとに武装させました。同時に、主だった人たち、代表者たちを呼び集めて、彼らを力づけました。これは主の戦いであり、自分たちの兄弟、息子、娘、妻、また家のための戦いであると宣言しました。ネヘミヤに仕える若者たちも武装し、城壁を築く者たちも、片手に投げ槍を持ち、片手で仕事をしました。そして、もし敵が攻め込んできたら角笛を鳴らすように命じました。そして、角笛がならされたら、みなが集まるように命じました。また、ネヘミヤと親類の者たち、従者たちはみな、いつでも敵の攻撃に対して、応戦できる体制を敷いていました。
教会を建てあげるのは、キリストを信じる者たちです。しかし、昔も今も同様に、キリストの教会を建てあげることを嫌う敵がいます。サタンとその支配下にある悪霊たちです。彼らは時には悪口雑言、嘲笑を投げかけてきます。クリスチャンの無力さを指摘します。失望落胆させようとします。ですから、使徒ペテロは次のように警告しました。「身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。堅く信仰に立って、この悪魔に立ち向かいなさい。ご承知のように、世にあるあなたがたの兄弟である人々は同じ苦しみを通って来たのです。あらゆる恵みに満ちた神、すなわち、あなたがたをキリストにあってその永遠の栄光の中に招き入れてくださった神ご自身が、あなたがたをしばらくの苦しみのあとで完全にし、堅く立たせ、強くし、不動の者としてくださいます。」(ペテロの手紙、第1、5章8節~10節)。清宣教師