エステルの宴会に招かれた王とハマンでしたが、ハマンは得意絶頂で帰宅しましたが、一方、王は王妃が何を言いたいのか、気になって仕方がありません。眠れませんでした。なにしろ、いのちがけで、王宮の内庭に入ったのですから、なにか、非常に深刻な問題に違いないのです。ところが、ハマンと一緒に、宴会に招待されただけのです。本当の目的はそこにあるのではないことは、王にとって、明白でした。そこで、王は年代記をもってくるように命じました。そこに、主なる神の導きがあったに違いありません。神は王の心をも水の流れのように変えることが出来るお方です。王の心を、あの年代記を見るように、そして、モルデカイが王に対する暗殺計画を察知して、未然に防いでくれた記事のところへと導いて下さったのです。そこで、王は、王に仕える者に対して、なにか栄誉とか昇進をモルデカイに与えたかどうか、尋ねました。その結果、なにもしていなかったことを知りました。何もしないで放置していたことを知ることにより、通常の褒美ではなく、特別の褒美を与えなければならない、と王は判断したようです。そこへ、ハマンが登場しました。これも主のご計画でした。ハマンは、自分こそ、栄誉を受けるにふさわしい人物だと信じていたので、最高の栄誉を与える方法を進言しました。すると、王は、モルデカイに対して、その通りに、するように命じました。しかも、なんと、その馬の手綱を引くようにハマンは命じられたのです。ハマンは、王服をとってモルデカイに着せ、王の王冠をかぶらせ、王の馬に乗せて、町の広場に行き、「王が栄誉を与えたいと思われる人はこのとおりである」と叫んだのです。モルデカイの処刑の許可を得ようとして、王のもとに参上したハマンでしたが、逆に、モルデカイに王の栄誉を与える役目を仰せつかったのです。その役目が済むと、ハマンは、頭を覆って急いで自宅に帰りました。妻と取り巻きの連中は、過去の歴史を思いだし、モルデカイがユダヤ人であれば勝ち目はないと進言しました。ハマンの心の中は、暗闇におおわれました。そのとき、エステルの宴会に急ぎ出席するように、王の宦官たちがやってきたのです。
今日の個所から、大逆転の兆しが見えてきました。エステルにとって、王のお気に入りの総理大臣のハマンを告発することは、とても危険な賭けでした。しかし、なんと、こともあろうに、ハマンがモルデカイの栄誉のために用いられたことを知るに至り、エステルは、これらのことがみな、主から出たことを知りました。ですから、この日の宴席で、王に対して、エステルの願いを伝える時が来たという確信をもったに違いありません。エステルが、1日、待ったことは正解でした。私たちも、重大な問題について、主の御手が明確になるまで待つことも大事です。ギデオンは、何度か、しるしを求めました。主は人間の弱さを御存じです。ですから、必要があれば、「主は生きておられる」という明確なしるしを与えて下さいます。
清宣教師
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