ユダヤ人の敵、ハマンは処刑されました。そして、ハマンの家はエステルに与えられました。エステルはその家の管理をモルデカイに委ねました。王は、ハマンから取り返した自分の指輪をモルデカイに与えました。続いて、エステルは、王に対して、ユダヤ人を亡ぼすように命じた王の書簡を取り消してくださるようにと嘆願しました。それに対して、王は、一度、王の名で書かれて王の印が押された文書はだれも取り消すことが出来ないといいました。つまり、ハマンの出した勅令を取り消すことは出来ないということです。しかし、新しい文書を王の名で書き、王の印をおして、王の勅令を出すことにより、実質的に、ハマンが書いたものを打ち消すことが出来ることを示唆しました。モルデカイは、そこで、王の名で、すべてのユダヤ人に自分たちを亡ぼそうとするものに対して、自分たちを守り、さらに、自分たちの敵を滅ぼすことを許す勅令を発布したのです。それは、127州のすべての州に、それぞれの文字とことばで伝えられました。すでに、モルデカイの名声はすみずみまで行き渡っていたので、総理大臣であるユダヤ人のモルデカイを恐れて、各州の首長や太守、総督、王の役人たちもみな、実質的にはユダヤ人を助ける側にまわりました(9章3節参照)。ユダヤ人を亡ぼそうとするユダヤ人絶滅の計画は、一転して、ユダヤ人を亡ぼそうと画策した敵の上に下りました。「ハマンの布告」は「死の布告」でした。一方、「モルデカイの布告」は「いのちの布告」でした。
今日の個所から、福音の型をみることができます。サタンは私たち人類を罪に定め、永遠の地獄に閉じ込めようと画策しました。そして、神の御子イエス様を十字架の上で処刑しました。敵は勝利したと確信しました。しかし、一転しました。神の御子が無実の罪で十字架刑を受けることにより、サタンの企みと罪状は、天にあるすべての天使たちの目に明らかになりました。また、神の御子の復活により、御子を信じる者たちが罪赦されて、永遠の地獄の運命から解き放たれ、永遠の神の御国に住む神の子どもとしての権利を与えられたのです。この福音は、すべての国語、すべてのことばで全世界に知らされるのです。それは救われる者にとって、「光と、喜びと、楽しみと、栄誉」(8章16節)となるのです。ハレルヤ。御用馬の早馬に乗った急使は、王の命令によってせきたてられ、急いで出て行った(8章14節)。救いの福音が、全世界に速やかに伝えられますように!清宣教師