9章1節には、第12の月、すなわち、アダルの月の13日の出来事が記されています。この日、二つの勅令が同時に発効しました。ひとつは、ハマンが主導して書いたユダヤ人を亡ぼせという勅令、もうひとつが、モルデカイが主導して書いたユダヤ人は自分たちを亡ぼそうとする敵を滅ぼして良いというものでした。しかし、ユダヤ人である総理大臣のモルデカイの威光を恐れる、各州の首長、太守、総督、王の役人たちはみな、ユダヤ人の擁護にまわりました。実質的に、ユダヤ人にとって最悪の日が一転して、最良の日となりました。この日、ユダヤ人は自分たちを襲ってきた敵をシュシャンの城だけで500人、ペルシャ帝国全体では75000人を亡ぼしました(9章10節、16節参照)。なお、シュシャンでは敵の勢力が残っており、エステルの願いにより、翌日も勅令がだされ、残党300人が滅ぼされました(15節)。そして、この日が、ユダヤ人にとって悲しみが喜びに、喪の日が祝日に変わったことを記念して、子々孫々、アダルの月の13日と14日を喜びと祝宴の日として祝うことが定められました(9章27節、28節参照)。ここで、注目されるひとつのことは、祝日の命名です。「エステルの日」でもなく、「モルデカイの日」でもありませんでした。正式には、「くじ」を意味する「プリムの日」と命名したのです。つまり、ハマンがくじを投げて、「喪の日」と定めたものを、主なる神は、そのくじを「祝いの日」として、ひっくり返されたのです(9章22節、24節、26節参照)。今日のユダヤ人の間では、アダルの月の13日をエステル祭、アダルの月の14日をプリムの祭、アダルの月の15日をシュシャン・プリムと呼んでいます。エステル祭、プリムの祭、シュシャン・プリムの3日間は、喜びの日、御馳走の日なのです。
私たちも、主の勝利のみわざを記念して祝います。キリストの復活は、キリストが全人類の贖罪を成し遂げられて、父なる神がそれを完全に受け入れられたことの証拠です。私たちは、週ごとに、週の初めの日を復活の日として、また、1年に一度、復活祭を祝います。きょう、主の復活を覚えて、逆転の勝利を信じましょう。いま、苦境にあるとしても、主の御力を信じましょう。「あなたの神、主であるわたしが、あなたの右の手を堅く握り、『恐れるな。わたしがあなたを助ける』と言っているのだから。」(イザヤ書41章13節)。
清宣教師