38章では、いよいよ、ヨブが求めていた神ご自身が、応答されました。1節に、「主はあらしの中からヨブに答えて仰せられた。」と記されています。神の応答は、ヨブの天における法廷での論争という形ではなく、つまり、ヨブの主張に対して、その主張が正しいか間違っているかではなく、一方的な創造主の顕現という形での応答となっています。しかし、ヨブはこれで十分に解決を得ました(42章1節~6節でのヨブの応答)。ヨブは、神に対してしつこく論争を求めましたが、その本心は主ご自身の臨在そのものを求めていた、ということです。さて、1節の、「あらしの中から」というのは、主の顕現のひとつの形です(列王記第1、19章11節で、エリヤが体験したのもそうでした)。4節以降、神は、創造主としての創造のみわざを披露していきます。地や海の創造(4節~11節)、地球の自転(12節~15節)、12節~15節では、地球が自転して、国々に朝明けをもたらしている姿が、実によく表現されています。当時の世界では円筒印章が用いられていました。円筒印章は粘土板の上に、転がして、印章として用いるものです。宇宙から見た時に、あたかも円筒印章のように、地球も自転して、東の国から西の国へと朝明けを記していくのです。しかも、毎秒数kmの速さで自転しているのに、そこから振り落とされることがないのです。重力の働きのおかげです。創造科学者にとって、関心の深い個所です。さて、つづけて、創造主は世界をくまなく知っておられること(16節~21節)、雪や雹や雨や風などの天候を治めておられること(22節~30節)、星座などの天の事象を治めておられること(31節~38節)を示されました。最後に、動物を養われていること(39節~41節)を示されました。
今日の聖書箇所から教えられることは、創造主がヨブに問いかけた質問です。「わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。」(4節)。この問いかけは、とても重要です。この地球や宇宙の始まりについて、進化論の科学者は、いろいろな仮説を述べています。しかし、創造主は、彼らにたいして、こう言われます。「わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか」。私たちは仮説ではなく、創造の当事者であるお方の証言があるのです。主よ。あなたは天と地とそこに満ちる一切の物を造られたお方です。
清宣教師