詩篇108篇の前半の1節~5節は、詩篇57篇の7節~11節とほぼ同じです。そして、108篇の後半の6節~13節は、詩篇60篇の5節~12節とほぼ同じです。すでに発表された二つの詩篇が、合体して、新しい詩篇として誕生したのです。
こういうこともあるのか、関心のある方は、確かめてみてください。
さて、内容的には、この詩篇の作者は、直前まで、10節~12節に記したように、敗北と敵の挟み撃ちにあって嘆きの中にあったようです。しかし、7節~9節に記されているように、神の聖所から神の約束をいただきました。だから、いまは、「神よ。私の心はゆるぎません。」(1節)、そして、天の上にまで及ぶ神の恵みを思い出し、雲にまで及ぶ神のまことを思い起こすことが出来たのです。こうして、1節~5節の感謝と賛美が心から湧き上がってきたのです。
今日の聖書箇所から教えられることは、今、直面している問題や仕事の解決のためのアイディアですが、この詩篇108篇のように、すでに与えられている二つのものを合体させたら、解決の道、あるいは、新しい発明があるかも知れませんね。実は、これまでの新しいアイディアは、すでに存在していた二つのアイディアが合体してひとつになったことから生まれたものが多いと言われています。
さて、発見といえば、今から85年前、1937年の2月12日のことでした。ナイロンと呼ばれる化学合成繊維に対して、特許が与えられた日でした。ナイロンはデュポン社の化学研究者のウォーレス・カロザースによって初めて見出されました。今では、ナイロンは衣服、テニスラケットの糸紐、歯ブラシの荒毛、医療用の縫合いと、その他の無数の製品に使用されています。ナイロンは、石炭・水・空気という単純な原料を用いて造られます。創造主はそのような人間の役に立つ製品の原材料を自然界の中にあらかじめ備えておられ、それが発見されることを待っています。一方、創造主がご自身で造られた作品である蜘蛛の糸は、同じ太さのナイロン糸や針金よりも、強い強度を持つことが知られています。蜘蛛は、水と空気というふたつだけの材料を用いて、その強力な糸を紡ぎだしているのです。創造主の知恵は、なんと凄いことでしょう。きょう、時間があれば、少し自然界にある創造主の作品に目を留めてみましょう。改めて、創造主のみわざの凄さに気づいて、主のみわざを賛美したいですね。清宣教師