「ヒネマトーブ」というイスラエルの賛美があります。「ヒネマトーブ」は、この詩篇133篇にメロディーをつけた賛美です。1節.「見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんというしあわせ、なんという楽しさであろう。」この世で、この楽しみを味わっている方は幸いですね。この世の現実は、なかなか、厳しいです。もろもろの事情があります。しかし、天の御国では、全世界の兄弟姉妹がひとつとなって共に住むことになります。理想的ですが、それが、現実のものとなります。御国の兄弟姉妹の交わりの楽しさは、最高の喜び、希望があります。2節.「それは頭の上にそそがれた尊い油のようだ。それはひげに、アロンのひげに流れて、その衣のえりにまで流れしたたる。」昔、頭に油を注ぐ習慣がありました。例えば、大祭司の任職のときの油注ぎ、お客さんを迎えた時の歓迎のしるし、一般の身だしなみ、などです。大祭司は、ひげを剃ることを禁じられていました(レビ21:5)から、アロンのひげは、長く垂れていました。頭に注がれた油は、額から顎へ、そして、ひげへ、ひげから衣の襟へとしたたり落ちました。3節.続いて、「それはまたシオンの山々におりるヘルモンの露にも似ている」と記します。並行法です。衣がシオンの山々、頭がヘルモン、油が露に置き換えられています。イスラエルの北の端、ヘルモンの山は万年雪を戴く高い山です。ここにおりる露は、ずっと南にあるシオンの山々にまで下りてくる、というのです。そして、最後に、この「油」とか「露」とかいう表現は、「神からの祝福」であることが解き明かされます。
今日の聖書箇所から教えられることは、兄弟姉妹が一つ所に共に住むことは神の祝福であることを示しています。その祝福は、兄弟姉妹の中だけにとどまらず、どんどん、その輪が拡がっていくのです。それが、主の御心です。イエス様も、山上の垂訓の中で、「平和を造りだす者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるから」と語られています(マタイ5:9)。
私たちの永遠の居場所がそなえられています。そこは、平和と愛と喜びに満ちた兄弟姉妹が、ともに住まう場所です。この世を去るとき、私たちは永遠の居場所で暮らすのです。
清宣教師