イザヤ書13章に入りましたが、前のメールに記しましたが、13章―23章では、諸外国に対する審判と預言がしるされています。13章1節~14章27節にかけては、バビロンに対するメッセージとなっています。
不思議なことがあります。それはバビロン帝国がまだ世界歴史上に脚光を浴びるようになる遙か前のイザヤの時代に、超自然的な啓示によってバビロンの滅亡を預言していることです。「貴族の門に、はいらせよ」(2節)。まだ歴史上、大帝国になる遙か前にもかかわらず、バビロンへの裁きの預言から始まることは、地理的な理由か、重要性によるものか、明確ではありません。ただ、南ユダ王国の将来と最も深いかかわりがあることから、最初に取り上げられているものと推測されます。なお、内容的には、全世界的な滅亡を意味する内容をも含んでいます。それで、単にバビロン帝国の滅亡の描写としてだけでなく、世界的な大帝国の滅亡を描写しているとも考えられています。
1節には、「アモツの子、イザヤの見たバビロンに対する宣告」と記されています。バビロン帝国が出現する遙か前に、全能なる主が、あらかじめ、イザヤに対して、幻を通して、バビロン大帝国の滅亡を見せたのです。17節~22節のバビロンの滅亡は、バビロンと深くかかわっているメディヤ人、カルデヤ人が登場します。カルデヤ人は、バビロンを首都として栄えたバビロン帝国をつくりあげ、メディヤ人は、バビロンと組んでアッシリヤを滅亡に追いやり、後にはメディヤを併合したペルシャのクロス王がバビロンを打ち倒しました。
今日の聖書箇所から教えられることは、主は明らかに全世界の歴史を支配しておられることです。英語のHistory(歴史)は、「His」(大文字の彼、つまり、主なる神)「story」(物語)である」と言われるゆえんです。現代の世界情勢も、混乱や破壊が見られますが、主の御手の中にあることを覚えて、キリストの再臨を待ち望みつつ、落ち着いて祈り、また、信仰を働かせて、生活しましょう。
清宣教師