そこでダニエルは、「わが主よ、この終わりはどうなるのでしょうか?」と尋ねましたが、主からの答えはありませんでした。主はまだ、その内容を封じておられたのです(9節)。多くの者は信仰に堅く立って身を清め、白くして、練られますが、悪者どもは、ますます、悪いことを行い、悟ることがないのです(10節)。反キリストが支配権を握って神の選民が迫害を受ける期間は1290日です。1290日は、3年半より長い期間です。これは迫害の激しさを示していると考えられています。それを乗り越えるには、さらに多い1335日の忍耐が必要なのです(12節)。最後まで耐え忍ぶ者は救われます(マタイの福音書24章13節参照)。そして、最後に、主はダニエルに命じられました。「あなたは終わりまで歩み、休みに入れ。あなたは時の終わりに、あなたの割り当ての地に立つ。」死に至るまで忠実であれ、そうすれば、神の国が実現した時に、神がダニエルのために用意されている割り当ての地に立つことが出来るのです。
ダニエルが、政治家としてなしとげた業績よりも、預言者として成し遂げた働きは後の世まで続く、測り知れない大きなものでした。ダニエルは専門の宗教家ではありませんでした。私たちも、主にあって選ばれて、それぞれの立場を与えられています。そこでクリスチャンとして、主の霊を宿し、主のみことばを聴き、それを分かちあう働きは、世の業績には比べられない大きな影響をあたえます。世において実を結び、その実が残るなら、主が栄光をお受けになるのです。私たちは、天地創造の前から定められているように、御国の子として、世に遣わされています。そこで、豊かな実を結ぶように計画されています。ダニエルの生涯は、異邦の地で、王が次から次へと代わっても、忠実に、誠実に、同じように仕えました。15歳の時から、いえ、物心ついたときから、95歳を超えても、この異邦の地で、信仰の生涯を貫きました。私たちの模範です。
最後に、主はダニエルに対して、「あなたは終わりまで歩み、休みには入れ。あなたは時の終わりに、あなたの割り当ての地に立つ」と言われました。個人的な証ですが、私が60代後半になったとき、主からこのみことばをいただきました。そのとき、わたしは、わたしの人生の最後の最後まで、主のお働きのために、歩き続けようと決心しました。
清宣教師