マタイの福音書5章~7章の情景について述べると、山の中腹の草花が咲く斜面に群衆が座り、イエス様が語られる光景が目に浮かびます。群衆の周りにも、そして足元にも、野の花が咲き、遠くから近くから、鳥たちが歌う声が響いてくるような環境の中でのメッセージでした。
それで、昔は、一般の人からも「山上の垂訓(すいくん)」と呼ばれて親しまれていた非常に有名な個所です。今のことばでは、「山上での説教」ですね。長い時間をかけて語られたメッセージの要約なので中身が非常に濃いです。クリスチャン人生のすべての指針を含んでいます。どこかひとつの個所を取り上げても、深くて広い内容をもっています。それで、今回は、ひとつひとつ取り上げることは割愛させていただきます。
今日の個所からひとつだけ取り上げるとなると12節ですね。ここは「ゴールデンルール」(黄金律)と呼ばれていて、未信者の人にも親しまれている個所です。「何事でも、自分にしてもらいたいことは、他の人にもそのようにしなさい。これが律法であり、預言者です」、この後半の「律法であり、預言者です」とは、旧約聖書全体を示すことばです。ですから、「これが旧約聖書が教えていることの要約です」という意味になります。一方、昔の有名なラビ(聖書学者)は「他の人からして欲しくないことは、他の人にしてはならない」というのが、旧約聖書全体の要約である教えていました。日本でも昔から伝えられてきた教えに似ています。「人様の迷惑になるようなことはしてはいけない」という教えです。
しかし、イエス様は、このような(・・・してはならない)という消極的な教えではなく、神様のみことばのエッセンスは、「自分にして欲しいと思う事は、他の人にもそのようにしなさい」という積極的な教えであることを明らかにされました。つまり、隣人に対して積極的に、親切に対応しなさい、という教えです。そのほか、よ~く味わうべき、メッセージに満ちています。どうぞ、時間を取って、山上の垂訓を、ゆっくり、味わって下さい。みことばは、私たちを映す鏡です。みことばの中に、私たちの心を映すとき、自分の姿が見えてきます。そして、また、聖霊様に満たされた時の美しい姿が見えてきます。
主は、今日も、あなたと共におられます!