今日の使徒の働き11章では、ペテロたちが行った異邦人伝道について、エルサレム会議において多くの非難の声があがったとき、どのような経緯で、最終的に、教会全体がひとつの結論に導かれたかを描写しています。聖霊の導きにより、みなが神の御業をほめたたえた個所です(18節)。そのあと、さらに、宣教のフロントラインにおいて、異邦人への伝道の道がひらかれていった様子が示されています(21節)。また、初めて、キリスト者と呼ばれるようになった経緯も伝えています(26節)。
さて、最初から見てみましょう。使徒ペテロがエルサレムに上京したとき、割礼を受けた者たちが待ち構えていました。そして、ペテロに対して、割礼を受けていない異邦人の所へ行き、一緒に食事をしたことに対して、非難のことばを投げつけました。それに対して、ペテロは、なぜそのような決断に至ったかを、詳しく、順序正しく、証しをしたので、彼らはみな、それが神のご計画であり、神がなされたことであることを知るに至りました。結局、エルサレム会議の参加者たちは、ペテロに対する非難のことばを撤回して、神の前に沈黙しました(18節)。ここから正式に教会としての異邦人伝道の道が開かれていくのです。
一方、イエス・キリストを信じたユダヤ人たちが、迫害により、散らされた時、行く先々でユダヤ人の同胞に福音を宣べ伝えました。その中で、異邦人であるギリシャ人たちに福音を宣べ伝えた人たちがいました。すると、なんと、主の御手が彼らと共にあったので、大勢の異邦人がイエスを救い主として受け入れました。それがアンテオケの教会の始まりです。そして、このアンテオケにおいて、人々は、キリストを信じる者たちに「キリスト者(クリスチャン)」というあだ名をつけました。その後、神のご計画の中で、このアンテオケ教会は、パウロやバルナバを異邦人の世界に送り出す世界宣教の教会として成長していきます。
きょうの個所では、ペテロが非難を受けたとき、感情的になることなく、事の次第を順序正しく説明することにより、聖霊様が働いて下さり、見事に問題が解決されたことを見ました。私たちも、思いがけない非難を受けたりしたときには、感情的になることなく、冷静に、事の次第を順序正しく説明することにより、多くの誤解や衝突を避けることが出来ることを教えていると思われます。
それから、11章では、もう一つのことを見ることが出来ます。主は、使徒たちを通して、あるいは、幻を通して、あるいは、御霊を通して、あるいは聖書のみことばを通して、あるいは、預言者を通して、あるいは、御使いたちを通して、それぞれ、主のみこころを伝えておられます。いつ、どんな方法で、主が私たちに主の御心を教えて下さるか分りません。主は自由に、ご自分の方法を用いて語られます。柔軟に、私たちは対応することが求められています。それでは、きょう、主の導きを求めて歩みましょう。
主はあらゆる方法で、私たちに語り、私たちを導かれるお方です!