今日の13章は、「愛の章句」として、結婚式などでも良く引用される個所です。これは12章1節から始まった「御霊の賜物」について話をしている個所の中の一部であり、12章31節で、「あなたがたは、よりすぐれた賜物を熱心に求めなさい。また私は、さらにまさる道を示してあげましょう」といって、話を切り出している個所です。そして14章1節の「愛を追い求めなさい」ということばに続くものです。これらの文脈から、使徒パウロは、「愛は御霊の賜物」であることを指摘したかったものと思われます。一方、ガラテヤ人への手紙5章22節では、御霊の実として、「愛」が第1番目に挙げられています。ここでパウロは、人間としての生まれつき持っている愛ではなく、御霊の賜物としての愛について語っていることを強調していると思われます。これはキリスト教の特徴のひとつであり、ギリシャ語で「アガペー」と呼ばれる愛です。これはまさに神の愛、御子キリストが示された愛です。ヨハネの手紙第1、4章7節に、「愛は神から出ているのです」と記されており、4章8節では「神は愛だからです」と記されています。4章9節~10節には、「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」と記されているとおりです。1節~3節では、コリントの教会の人たちに最も重要視されていた御霊の賜物である「異言」を取り上げて、この異言の賜物でさえ、愛がなければやかましいだけである、と指摘しています。また、次に「預言」の賜物を取り上げ、さらには「山をも動かすほどの完全な信仰」、「持ち物全部を分け与え、自分のからだを焼かれるために渡す殉教の賜物」を例にあげて、たとえこれらの賜物を持っているとしても、もしも、愛が伴なわなければ無に等しい、と断言しています。すべての賜物の土台としての「愛」の賜物の特質を指摘しています。それから、4節~7節で、愛とは何かについて記しています。まず、愛は寛容であり、愛は親切です。つぎに、8つの否定と5つの肯定の要素があることを指摘しています。愛は、「妬まず」、「自慢せず」、「高慢にならず」、「礼儀に反することをせず」、「自分の利益を求めず」、「怒らず」、「人のした悪を思わず」、「不正を喜ばない」のです。8つの否定的な要素です。つぎに、5つの肯定的な要素です。「真理を喜び」、「すべてを我慢し」、「すべてを信じ」、「すべてを期待し」、「すべてを耐え忍び」ます。ここで、愛とは抽象的な概念ではなく、具体的な愛です。つまり、その「愛」ということばを「自分の名前」で置き換えることにより理解できます。自分自身がいかに「愛」が欠如しているかがよくわかります。また、罪人であり、救いを必要としてていることが明らかとなります。次に、「愛」という個所を「キリスト」ということばで置き換えることにより、なぜ、神の御子であるキリストが人となられて、この世に来られたのか、よく理解することが出来ます。キリストこそ、まったき愛なるお方であること、そして、まったき「救い主」となられた理由が分かります。8節~13節では、愛の永遠性について記しています。預言も、異言も、知識もみな、完全なものが現れたならば、つまり、神の国が到来したら、すたれてしまうものです。古いものは過ぎ去り、すべてが新しくなるからです。しかし、その中でもいつまでも残るものがあります。それは「愛」と「信仰」と「希望」です。しかし、その中で最も優れているものは「愛」です。なぜなら、神は愛だからです。愛は神の御本質だからです。そして、この愛は、キリストを通して、私たちに与えられたものです。主を賛美します。
主の御霊がおられるところには自由があります!
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