私たちは、全能の神の息子、娘として選ばれています。ですから、1節では、「いっさいの霊肉の汚れから自分をきよめ、神を恐れかしこんで聖きを全うしようではありませんか。」と勧められています。さて、4節には、「私は慰めに満たされ、どんな苦しみの中にあっても喜びに満ちあふれています。」と記されています。ところが、5節では「マケドニヤに着いたとき、私たちの身には少しの安らぎもなく、さまざまの苦しみに会って、外には戦い、うちには恐れがありました。」と記しています。4節と5節の内容は、一見すると、両者は矛盾しており、偽善者と言われてしまうかもしれませんね。4節では、どんな苦しみの中にあっても喜びに満ちています、と強調しているのに、5節では、現実の問題にぶつかると、もう、少しの安らぎもなく、うちには恐れがあるとは、どういうことでしょうか? 結局、心の中の信仰と実際生活の態度は別々のことなのでしょうか?一見すると、矛盾したことを書いているパウロですが、でも、これが実際の信仰生活です。私たちも、実際には苦しみがあり、少しの安らぎもなく、恐れの中に縛られることがあります。それは事実です。しかし、それでお終いではありません。そこで、私たちの心の中での信仰による戦いが始まります。そして、遂には主イエス・キリストによって勝利するのです。そのとき、何とも言えない平安と喜びが支配するのです。そして、神様は、私たちの弱さを御存知ですから、具体的な助けを与えて下さるのです。実際、神様は、気落ちした者を慰めて下さる神様であり、まさに、パウロたちは、例えて言えば、死の陰の谷底を歩いているような状況でしたが、そのとき、コリントからテトスが朗報をもってきたので、もう大きな大きな喜びへと変わったのです(6節―7節)。テトスに会えたこと、また、テトスがコリントの教会の兄弟姉妹が、パウロたちを今も慕っていることを伝えてくれたこと、そのことで、本当に慰められたのでした。前に書いた手紙(第1の手紙とは別に、そのあとに書いた手紙)によって、コリントの教会の人たちが、とても悲しんでいることを知り、自分も心の中が苦しくなりました。しかし、手紙を書いたことは後悔していません。そして、いまは喜んでいます、と述べています。なぜなら、コリント教会のあなたがたが、真の悔い改めを示したからです。神の前での真の悔い改めは、決して、そのまま、いつまでも、死に至るような悲しみに縛りつけておくものではなく、むしろ、真のいのちに至る方向転換をもたらすからです。正しい悔い改めは、熱心、弁明、憤り、恐れ、慕う心、熱意をもたらすのです。そして、コリント教会の人たちも、道徳的、信仰的に問題を起こした人、そして後ろで操る黒幕的な人物に対して、処罰を断行することにより、教会の潔白を明らかにしました。そのことが、パウロを安心させ、神様からの慰めとなったのです。こうして、パウロはコリントの教会の兄弟姉妹に対して全幅の信頼を置くこと出来たのです(16節)。
主の御霊がおられるところには自由があります!
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