2章では、いよいよ、再臨の問題を取り上げています。新約聖書は、300回以上にわたり、キリストの再臨に触れています。それほど大事な教理の一つですが、誤解も生じやすい教理です。まず、パウロは、1節~2節において、主の日はまだ来ていないことを確認しています。「主の日」とは、主イエスの再臨のことであり、将来起こるべきこととして記されています。主イエスの再臨は、教会の信徒たちが集められ、雲の中に引き上げられ、空中で主に会う素晴らしいときです。これが地上における主の教会の携挙の時です。テサロニケの教会の信徒たちもこの日を待ち望んでいました。再臨信仰は、主イエスの再臨を固く信じてその日を待望する信仰です。しかし、その日がいつであるかについては、主イエス様が「その日、その時がいつであるかは、だれも知りません。・・・ただ父だけが知っておられます」(マタイの福音書24章36節参照)と指摘されています。ところが、テサロニケの教会の信徒たちの中には、「主の日がすでに来たかのように」言いふらしている者たちがいました(2節)。ある者は、聖霊の導きによって「主の日はすでに来た」という情報を得たと主張し、他の者は、パウロが書いたという偽の手紙によって「主の日はすでに来た」と言いふらしていましたが、それはまったくの誤りであると、パウロは指摘しています(3節)。一方、イエス様が警告されたことですが、「私が再臨のキリストである」と名乗る者たちが世界の各地で出現しています(マタイの福音書24章3節~5節)。しかし、それは偽りです。何故なら、再臨の日の前に、まず、背教が起こること、つまり、不法の人、とか滅びの子と呼ばれる者、つまり、「反キリスト」が出現するはずなのです。神に反逆し、自分を高く上げて、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言する、反キリストが出現するはずなのです。主の再臨の前に出現するこの反キリストは、徹底的にキリストに挑戦し、神に反逆する存在です。ダニエル書11章36節で預言されている人物であり、黙示録11章7節に記されている「底知れぬところから上ってくる獣」のことです。すべての礼拝されるものに反抗し、自分こそ神であると宣言する(4節)のです。しかし、この「不法の人」はまだ出現していません。その出現は、時が来るまで引き止められているのです(6節)。確かに不法の秘密はすでに働いてはいますが、ある力によって引き止められているのです。おそらく、その力とは、聖霊の守りの力であると思われます。しかし、その引き止める力が去るときに、つまり、神の時が来ると、不法の人が出現するのです。反キリストがこの世に出現し、キリスト者を苦しめるのです。しかし、それは長くは続かず、主は御口の息吹によって、主の来臨の輝きによって、その反キリストを滅ぼされます(8節)。ところで、この不法の人(反キリスト)は、サタンの働きによるのであり、ありとあらゆる不思議や奇跡、偽りの力を働かせて、人々を偽りへと誘い込みます。それで、大勢の人たちが不法の人(反キリスト)に従うようになります。神は、偽りを信じる者たちを放置されるので、サタンの惑わす力によって完全に偽りを信じてしまうようになります。それは彼らが真理を信じないで、創造主に反逆しつづけた結果であり、自分たちが蒔いた種を刈り取ることになるのです(10節~12節)。しかし、パウロが伝えた福音と教えをしっかりと守るなら、不法の人の偽りに惑わされることは決してないのです(13節~14節)。そして、ふたつのことを勧めています。ひとつは、パウロが伝えた福音、神の言葉に堅く立つことです。ふたつは、あらゆる良いわざと言葉に進むようにということです。真理のみ言葉に立ち、それを実際に実行することにより、福音宣教の働きが実を結ぶのです(15節~17節)。イエス様のアドバイスに従い、賢い乙女のように目を覚まして、備えの油を準備することです。
神はみこころに従い、からだの中にそれぞれの器官を備えて下さいました!
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