テモテへの手紙も、いよいよ、最後の章になりました。パウロは自分の殉教の死が近いこと、再臨も近いことを覚えて、記しています。「神の御前で、また、生きている人と死んだ人とをさばかれるキリスト・イエスの御前で、その現れとその御国を思って、私はおごそかに命じます。」いま、このような時、何をしなければならないのでしょうか。パウロは言います。「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。寛容を尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい。」(2節)。なぜなら、世の終わりには教会の中にも偽りが入り込むからです。「というのは、人々が健全な教えに耳を貸そうとせず、自分につごうの良いことを言ってもらうために、気ままな願いをもって、次々に教師たちを自分たちのために寄せ集め、真理から耳をそむけ、空想話にそれて行くような時代になるからです。」健全なみことばを教える牧師が必要です。ですから、テモテに対して勧めます。「あなたは、どのような場合にも慎み、困難に耐え、伝道者として働き、自分の務めを十分に果たしなさい。」(5節)。みことばを「宣べ伝えなさい」、とは、原語の意味は、その国を治める「王のことばを宣言する」ことです。ですから、テモテの使命は、困難に耐え、自分の務めを十分に果たすことです。そのことを明らかにしたうえで、パウロは自分の過去、現在、未来について、テモテに語りかけます。パウロは、現在について、「私は今や注ぎの供え物となります。私が世を去る時はすでに来ました。」と述べています。そして、過去について、「私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。」と述べました。さらに、未来について、「今からは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。かの日には、正しい審判者である主が、それを私に授けてくださるのです。」と述べています。また、「私だけでなく、主の現れを慕っている者には、だれにでも授けてくださるのです。」と述べています。テモテも、義の冠を受けるように主の福音宣教の使命に忠実な生涯を貫くように勧めています。
パウロは、それにしても、孤独でした。寂しかったようです。こう述べています。「あなたは、何とかして、早く私のところに来てください。デマスは今の世を愛し、私を捨ててテサロニケに行ってしまい、また、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマテヤに行ったからです。ルカだけは私とともにおります。マルコを伴って、いっしょに来てください。彼は私の務めのために役に立つからです。」さらに、付け加えています。「私の最初の弁明の際には、私を支持する者はだれもなく、みな私を見捨ててしまいました。」(16節)。しかし、一方で、主が残してくださった兄弟姉妹もおりました。プリスカとアクラ、オネシポロの家族、ユブロ、プデス、リノス、クラウデヤ、またすべての兄弟たちが、パウロを励ますために、主が残されました。私たちも、時には、周りから理解者が取り去られます。しかし、最後まで理解してくれる人も残されます。ともに、労苦を通った人は、生涯最高の理解者となります。苦難は最高の贈り物を与えてくれます。聖書には記されていませんが、伝承によると、1年もたたないうちに、パウロは斬首され、殉教の死を遂げたようです。パウロはこの世を去り、テモテたちがみことばを宣べ伝えました。そして、アジア州での福音の宣教は終わることなく、アジア州の各地に教会が設立されるようになり、やがて、ローマ帝国の町々に教会が設立されていきました。パウロの願いは、成就していきました。
日本における福音宣教の使命を受け継ぐ器が多く起こされますように、共に祈りましょう。
恐れてはならない。主があなたとともにおられるのだから!
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