きょうの1節も、なんと、温かいおことばでしょうか。「神は、ノアと、箱船の中に彼と一緒にいたすべての獣や、すべての家畜とを心に留めておられた。」と記されています。救いの中に導かれたものたちを、主は、いつも、心に留めておられたのです。しかも、すべての獣や家畜に至るまで心に留めておられたのです。
箱船はイエス様の救いを表していますが、一方で、箱船の中のノアとその家族は、教会の中の兄弟姉妹を表していると思われます。教会という箱船は、主の心に留めていただきながら航行するのです。大嵐の中を天の御国の港を目指して進むのです。ところで2節、大雨が止められて、水は、しだいに地から引いていきました。水は150日の終わりに減り始めました。箱船の中にはノアの家族たちが150日間(5か月間)も薄暗い船内で忍耐に忍耐を重ねて船から出られる日を待ち望んでいました。そして、ついに水が引き始めました。ところが、じつはそれから7か月も待つことになるのです。それは限界を超えた忍耐だったかも知れませんね。仮に地球の表面をバレーボールの表面のように仮定すると、地球は2千4百メートルを超える深い水で地球全体がすっぽり包まれることになります。ノアの洪水の時は、全地球的な大洪水で、深い水で覆われました。では、どうして、水が減り始めることが出来たのでしょうか?答えはひとつです。地球の表面のある部分がへこみ始めたということです。そこに水は流れ込んだのです。そのへこんだところが、日本海溝とか、海溝と呼ばれる海の中の谷です。他方、陸地は隆起しました。ということで、現在の地形のもとが出来たと考えられます(詩篇104篇6節~9節参照)。もう、水は再び、地球全体を覆うことはありません。あるのは、ある地域に限定された小規模な洪水だけです。旧約聖書も新約聖書も、ノアの大洪水を指すときには、ヘブル語では「マバール」、ギリシャ語では「カタクリュスモス」という特別のことばを用いて、全地球的な規模で起きた大洪水と、今も起こる地域的な大洪水を明確に区別しています。つまり、実際に、地球を覆う大洪水、ノアの大洪水があったことを示しています。かつて、全世界的な大洪水があったということが歴史的な事実であれば、もうひとつの終末に起こると預言されている全世界的な火による裁きも必ず起こるということを示しています。さて、水が次第にひき始めました。ノアは、船からカラスを放ちましたが、カラスは戻ってきました。次に鳩を放ちました。2度目に鳩を放つと、鳩はオリーブの若芽をくちばしに挟んで戻ってきました。そして、しばらくたって、地はかわききりました。主の指示により、彼等は箱船を出ました。そして、すべての獣も、すべての地を這うものも、すべての鳥や家畜もみな、箱船から出ました。約1年にわたる長い間の箱船生活から、新しい大地に降り立ち、ノアはみなを代表して、深い感謝と共に主のために祭壇を築き、全焼のいけにえを主に捧げました。さて、ノアの大洪水の前までは、地球全体が温暖であり、ハワイのような住みやすい気候であったと思われます。しかし、ノアの大洪水のあとは、北極と南極は氷の寒帯となり、赤道直下は極暑の熱帯となりました。寒さと暑さが訪れたのです。夏は熱く、冬は寒くなったのです(22節)。ハトは今でも平和をもたらすシンボルとして用いられています。そして、教会にある十字架のシンボルは、まことの和解と平和をもたらすシンボルとして、全世界で用いられています。箱船の中で耐え抜いたノアの家族のように、私たちも主の再臨の日が早められることを祈りつつ、神様をあがめて生活しましょう。
主は私たちの造り主、救い主、永遠の主です!
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