29章は、アロンとその子らの祭司の任職式の規定です。
1節~3節:まず、任職に必要な物が記されています。若い雄牛1頭、傷のない雄羊2頭、種(たね:酵母のこと)の入っていないパン、油を混ぜた種の入っていない輪型のパン、油を塗った種の入っていないせんべいなどです。(註:パン種は、小さいものなのにパン全体を膨らませる働きがあるので、これは罪の象徴として使われています。つまり、どんなに小さな罪でも、その影響は限りなく大きいからです。パン種をいれないという意味は、罪を除いたという意味です)。アロンとその子らは、会見の天幕の入り口の近くにある青銅の洗盤で、全身を洗い清めました。クリスチャンもまた、祭司として、「心に血の注ぎを受けて邪悪な良心をきよめられ、・・・・からだをきよい水で洗われた]者たちです。(へブル人への手紙、10章22節参照)。4節~9節:アロンとその子らは、栄光と美を表す、あの聖なる装束を身に着けた。頭にはかぶりものをかぶり、『主への聖なるもの』と彫られた純金の聖別の記章(札のようなもの)を付けました。そこで、注ぎの油が、頭に注がれました。油注ぎは、キリストが「御父から約束された聖霊を受けて」それを私たちに注がれたことを意味します。私たちは、大祭司キリストのもとで奉仕する祭司です。10節~14節:それから、アロンとその子らは、雄牛の頭に手を置きました。これは罪のための犠牲です。手を置くとは、一体となることを表し、この雄牛がアロンとその子らの罪を負って、代わりに屠られることを意味しています。罪の支払う報酬は死以外にありませんでした。そして、この雄牛の贖いは、本体であるキリストの贖いを指し示していました。内臓を覆う脂肪や肝臓の小葉、二つの腎臓と、その上の脂肪は祭壇の上で焼かれました。それは香ばしい香りとなって空にあがっていきました。つまり、それは天において受け入れられることを意味しています。ただし、雄牛の肉と皮と汚物は、宿営の外で火で焼かれました。これは忌み嫌われるものだったからです。肉はすべてが焼かれて捨てられなければなりませんでした。肉は、神に反抗する人間の本質の象徴(ガラテヤ人への手紙、5章24節参照)であり、まったく悪に染まったものだからです。汚物も火で焼かれ捨てられました。動物の排泄物で、人間の過度の罪、酩酊、詐欺、神への冒涜、淫行などを象徴しています。15節~34節:2頭の雄羊が捧げられます。1頭は全焼のいけにえ(15節~18節)、他の1頭は任職の雄羊(19節~34節)でした。10節~14節に記されていた罪のためのいけにえは、罪に対する神のきびしい裁きを表しています。しかし、15節~18節に記されている全焼のいけにえは、火による香ばしい香りの捧げ物として、雄羊の体全体が丸ごと、煙となって天に昇っていきました。つまり、キリストの完全な献身をあらわしています。父なる神は、御子の奉仕のすべてを受け入れられることを意味するものです(18節)。私たちも罪清められて、祭司として奉仕する時、すべてが主にあって受け入れられるのです(ローマ人への手紙、12章1節参照)。19節~34節の任職の雄羊は、祭司が自分自身を喜んで捧げることを求められていることを表しています。主の教えをうけるために主に捧げられた耳、主の働きのために喜んで仕える手を求めておられます(20節)。そして、血と注ぎの油が衣服に振り掛けられました。キリストの血と聖霊により、新しい人生を与えられて、主のために生きるクリスチャンの任職を表しています。そして、主への香りの捧げものとしたあと、任職用の雄羊の胸とももの肉は、アロンとその子らが食べるために聖別されました。これはクリスチャンが、キリストの力(ももが象徴するのは力)と尊い愛(胸が象徴するもの)に与ることを意味しています。任職の式は7日間、行われました。7は完全数です。神との完全な交わりを意味するものでした。38節~46節。毎日の朝と夕の捧げものの規定が記されています。こうして、主なる神は、イスラエルの民の中に住まわれ、彼らの神となられるのです。きょう、私たちの造り主イエス様を賛美します。聖霊様、私たちのうちにお住まい下さい。私たちを造り変えて下さい。
主は私たちの造り主、救い主、永遠の主です!
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