きょうは、少し涼しく感じられるから不思議です。今日は立秋です。
詩篇の105篇と106篇は密接な関係にあると考えられています。105篇が神の誠実を賛美し、感謝する詩篇とすれば、106篇は、イスラエルの歴史における不従順と忘恩の告白であり、国の復興を祈る悔い改めと嘆きの詩篇であると言われています。
1節~5節:1節の「まことに慈しみ深い」とは、ヘブル語の原語では「キー・トーブ」です。あの創世記1章に登場する「キー・トーブ」(良い)です。直訳は、「良い」です。つまり、「主が」良いお方であり、そのお方に「感謝すること」は良いことです。「恵み」は、ヘブル語の原語で「ヘセド」です。その意味は、ただの恵みではなく、「永遠に変わることがない主の契約に基づく恵み」です。2節では、このような驚くべき主の恵みと大能の力あるみわざを、誰が語り継ぐものとなるのか、この詩人自身が、イスラエルの真の希望である、この途方もなく素晴らしい主の恵みと大能のみわざを証言するものでありたいと願っています。それは個人的としての願いでもあり、イスラエルの共同体の一員として捧げています。そして、罪の告白へと続きます。
6節―43節:エジプトでの不信仰、出エジプトを目前にしての不従順の罪を言い表しています。民たちの不信仰と不従順にもかかわらず、御名のために民たちを救い出し、紅海を裂いて脱出させてくださった主の恵み、そこで、民たちは、みことばを信じ、主への賛美を歌いました。しかし、それはほんのひと時で、すぐに主のみわざを忘れて、荒れ地で主を試みました。モーセやアロンを妬み、ダダンやアビラムの反逆に組した罪、ホレブでの金の仔牛での偶像礼拝の罪、しかし、それにもかかわらず、モーセの執り成しにより、全滅を免れた民たち、それほどの憐みを受けたにかかわらず、主が備えて下さった麗しい約束の地を、悪い地であると中傷誹謗して、逆らいました。モアブでもバアル・べオルに従い、偶像礼拝に陥りました。その神罰も、ピネハスの行為により、止みました。そのような不従順と不信仰の罪を何度も繰り返し、約束の地に入ったあとでさえ、カナンの異教の風習に従い、偶像礼拝の罪を犯しました。それで、主の怒りは燃え上がり、まわりの国々の手に、イスラエルを渡して、懲らしめられました。
44節―47節:このような救い難い民たち、利己的で、頑迷なイスラエルの民でしたが、主は、救いを求めるイスラエルの民たちの声に、耳を閉ざすことなく、彼らの苦しみに目を留めて、その都度、救いをもたらされました。それは、アブラハムとの永遠の契約のゆえでした。それは、一方的な恵みによる救いでした。このような神、偉大な神、恵み深い神、ここに、イスラエルの希望があります。主があわれみをもってイスラエルの民を回復させてくださることを願い求めています。また、イスラエルの民が、主に対して、まごころからの感謝をもって捧げる民となるように願い求めています。
48節は、詩篇の第4巻の最後の頌栄のことばです。賛美で閉じています。
私たちの希望は、イエス・キリストです。主イエス・キリストこそ、頑迷で不従順な私たちのために、天において執り成しをして下さっています。私たちの場合は、旧約聖書のイスラエルの民たちとは、立場が違います。御子キリストの贖いを通して、私たちは神の子どもとされて、聖霊の証印をおされたものです。真実と誠実をもって主に仕えるものたちです。たとい失敗をしても、七転び八起き、ノックアウトされたままではありません。主ご自身、ゴルゴダの丘へ、十字架を背負って引かれる途中、幾度も、倒れられました。しかし、その都度、起き上がられました。
清宣教師
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