「日照りのことについて」主からのことばがありました。日照りは、単なる自然現象ではなく、創造主なる神からの警告でした。みことばを聴かない民に対して、主は、人々の生活に介入されます。ユダの民はこの警告を悔い改めをもって受け留めるべきでした。しかし、それはなく、深刻な水不足となりました。それは民だけではなく、大地は若草を生えることをしないので、野生の雌鹿や野ろばなどもひもじい思いをさせられました。人間の罪は、人間だけではなく、被造物全体に及ぶのです。それはアダムとエバが地球上のすべての生き物の管理を委ねられたときから定められたことでした。被造物は、切なる思いで被造物の世界の回復の時を待っています。
少し、横道にそれましたが、このような深刻な水不足の状況の中で、エレミヤは7節―9節において、執り成しの祈りを捧げます。「私たちはあなたに罪を犯しました。」と罪を告白し、また、「私たちを置き去りにしないでください」と嘆願しています。しかし、主のこたえは厳しいものでした。10節―12節ですが、主は「罪を罰する」と宣言されました。しかも、「この民のために幸いを祈ってはならない」とエレミヤに対して執り成しの祈りを禁じられました。さらに、「剣とききと疫病で彼らをことごとく滅ぼす」と宣言されました。13節では、エレミヤは、「平安をあなたがたに与える」と語っている他の預言者たちのことばを引用して、主に訴えました。そこで、主は、14節―16節において、エレミヤに対してせつめいしました。あの預言者たちは、わたしが遣わしたものではなく、偽りを預言しているのだ。エレミヤよ、お前も、彼らの偽りの預言のように大衆受けする「平安を与える」ことばを語りたいのか。剣と飢饉は必ず来るのだから、偽預言者もそれに耳を傾ける民たちも、必ず、滅びるのだ、それがお前にはわからないのか。
17節―18節において、「あなたは彼らに、このことばを言え。」(17節)と言われて、エレミヤに預言のことばを授けられました。主のみこころは、憐みと愛に満ちておられます。しかし、義と公正の神でもあります。主なる神に背を向けて不正と利得と不義を求め、弱い者を虐げるユダの民も、預言者も、祭司たちも、必ず、バビロン捕囚と言う審判が下ることを、エレミヤは民に対して語らなければならないのです。
このような神の思いを知らされたエレミヤは、19節―22節において、この民のために祈るなと、主から言われたにもかかわらず、神に訴え、民のために執り成しの祈りをするのです。民たちの罪を告白し(20節)、どうか、辱めないで下さい。契約を覚えて下さい(21節)、あなたしかいません、あなたを待ち望みます(22節)と祈るのです。
民の不真実を徹底的に知り尽くしている預言者であり、預言者としての職務のゆえに、何度か殺されかけたエレミヤですが、自分のいのちを捨てて、執り成しをするのです。まさに、未来のイエス様の姿を見るようです。徹底して、神に仕え、そして人に仕えるエレミヤです。天において大きな報いを受ける預言者ですね。
清宣教師
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