今日の1日1章は、比較的短い個所ですね。ホッと一息つくうような感じです。さて、ネリヤの子のバルクに対する主のことばが記されています。いつごろ語られたのかと言うと、45章1節には、ユダの王エホヤキムの第4年にエレミヤの口述によってこれらのことばを書物に書き記したとき、と言われています。つまり、きょうの出来事は36章の出来事のあとのことでした。36章には、次のように記されています。
「ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、主からエレミヤに次のようなみことばがあった。「あなたは巻き物を取り、わたしがあなたに語った日、すなわちヨシヤの時代から今日まで、わたしがイスラエルとユダとすべての国々について、あなたに語ったことばをみな、それに書きしるせ。ユダの家は、わたしが彼らに下そうと思っているすべてのわざわいを聞いて、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしも、彼らの咎と罪とを赦すことができる。」それでエレミヤは、ネリヤの子バルクを呼んだ。バルクはエレミヤの口述に従って、彼に語られた主のことばを、ことごとく巻き物に書きしるした。そしてエレミヤは、バルクに命じて言った。「私は閉じ込められていて、主の宮に行けない。だから、あなたが行って、主の宮で、断食の日に、あなたが私の口述によって巻き物に書きしるした主のことばを、民の耳に読み聞かせ、また町々から来るユダ全体の耳にもそれを読み聞かせよ。そうすれば、彼らは主の前に祈願をささげ、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。主がこの民に語られた怒りと憤りは大きいからである。」そこでネリヤの子バルクは、すべて預言者エレミヤが命じたとおりに、主の宮で主のことばの巻き物を読んだ。」(36章1節―8節)。
バルクは、主の預言者エレミヤの口述筆記者と言う名誉ある役割を与えられていました。バルクは、名門の出であって、バルクの兄弟セラヤはゼデキヤの高官でした(エレミヤ書51章59節参照)。バルクは、ヨシア王の宗教改革の時からゼデキヤ王の時代まで、首尾一貫して主のことばを真っ直ぐに語るエレミヤという人物を尊敬し、エレミヤに仕えることを誇りと思っていたに違いありません。当時、エレミヤは、監視されて捕縛されていたので、エレミヤに代わって、バルクが主のみことばを民たちに語るように、エレミヤから命じられました。バルクはこの時、首長たちや王が悔い改めることを心に描いていたのかも知れません。しかし、実際には、エホヤキム王の怒りをかうことになり、エホヤキム王が、主のことばを口述筆記した巻き物を切り裂いて暖炉の火に投げ込みました。バルクにとって、神の尊い預言を焼却されてしまったことを知った時、「ああ、哀れなこの私、主は私の痛みに悲しみを加えられた。私は嘆きで疲れ果てた。」(45章3節)と、バルクはそれまでにない大きな失望を味わったようです。このバルクに対して、主はエレミヤを通して、ことばを下さったのです(45章1節)。エレミヤは、バルクに対する主のことばを取り次ぎました。バルクよ、あなたがそのように言うので、主はこう仰せられます。『見よ。わたしは自分が建てた物を自分でこわし、わたしが植えた物を自分で引き抜く。この全土をそうする。あなたは、自分のために大きなことを求めるのか。求めるな。見よ。わたしがすべての肉なる者に、わざわいを下すからだ。――主の御告げ。――しかし、わたしは、あなたの行くどんな所ででも、あなたのいのちを分捕り物としてあなたに与える。』(45章4節―5節)。
エレミヤは、主に対して最初から最後まで忠実でした。一方、エレミヤを尊敬するバルクも、最初から最後まで、エレミヤに忠実に仕えました。その人生の中で、大きな期待をもっていたようです。しかし、ある意味、バルクの生涯は報いられないものでした。そのバルクに対して、主はエレミヤを通して、どんな事態になったとしても、あなたのいのちを分捕りものとして与える(いのちを守り、あなたに与える)と約束されました。バルクへの主の労いのことばでした。明確ではありませんが、エレミヤは、このバルクへの主のことばを、晩年になって初めてバルクに伝えたのかもしれません。バルクは、預言者エレミヤの死後も生きて、この記録を預言者エレミヤの生涯の記録のあとに、補足として加えたのであろうと考えられます。
清宣教師
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