今回の発端は、27章1節にありました。「ダビデは心の中で言った『私はいつか、いまに、サウルの手によって滅ぼされるだろう。ペリシテ人の地に逃れるよりほかに道はない。そうすれば、サウルは、私をイスラエルの領内で、くまなく探すのをあきらめるであろう。こうして私は彼の手から逃れよう。』(27章1節)。ここで、ダビデは主の導きを求めたのではなく、自分の心の中で決めたことでした。その結果、ガテの王アキシュのもとで、偽りの生活を強いられるようになりました。そして、今回の出来事でした。
1節―6節:ダビデと部下たちが、ツィケラグに帰ってみると、アマレク人の攻撃により、町は火で焼かれ、女もこどももみな捕虜として連れ去られたあとでした。部下たちの中には、あまりの悲しみと絶望のゆえに、ダビデを石で打ち殺そうと言い出す者もあらわれました。ダビデは、失望と絶望のどん底の中で、主に立ち返ります。主の御計画は完全です。もともと、ダビデの不信仰のゆえの決断の総決算という意味がありました。ここで、ダビデはすべてを失って、人間的なものを頼りにして、ペリシテ人を偽りつつ生きてきた苦しみの中から解放されるのです。もちろん、その時は、ダビデにはそのように考える余裕はなかったと思われます。しかし、ここで、ダビデは、もう一度、(強制的ではありましたが)主にだけ頼る道を選びなおします。
7節―10節:ダビデは祭司エブヤタルを通して主のみこころを伺います。そして、主からの約束のことばをいただいて、600人の部下と共に追撃を開始しました。ペソル川まで来たとき、疲れたものたち200人がそこに留まり、400人で追撃を続けました。
11節―15節:そこに、まさに、神様が残してくれたカギとなるひとりの人を見つけました。エジプト人で、アマレク人の奴隷でした。病気になって見捨てられたものでした。ダビデたちは親切に介抱してあげて、この男は回復しました。その男の手引きで、ダビデと部下たちはアマレクの略奪隊の野営地にたどりつくことが出来ました。
16節―20節:アマレク人は勝利に酔いしれておりました。ダビデと部下たちは、油断しきってきたアマレク人を襲い、彼らの家族や財産をすべて取戻し、しかも、莫大な戦利品を手に入れました。
21節―25節:ダビデと部下たちがペソル川に戻ってきたとき、部下の中で、意地の悪い、よこしまな者たちが、「彼らは一緒に行かなかったのだから、われわれが取り戻した分捕りものを、かれらに分けてやるわけにはいかない。ただ、めいめい自分の妻や子供たちを連れて行くがよい」と口々に言いだしました。しかし、ダビデは、「われわれが取り戻した」のではなく、「主が私たちの手に渡された」のだから、荷物の番をしていた200人のものたちにも、等しく、分配するように命じました。ここに、私たちに対する重要な示唆が含まれています。私たちが自分の働き、自分の手で得たものだと理解するなら、分かち合うことは出来ません。しかし、主が恵みによって与えて下さったと理解するなら、容易に分かち合うことが出来ます。
26節―31節:ダビデは、主からの恵みを独り占めにしようとせず、近隣の同胞や過去にお世話になった人たちに分かち合いました。心から主の恵みであると受け止めていたので、それを分かち合うことが出来ました。
さて、ダビデは、27章1節で、間違った決断をしましたが、主はダビデを守り導いて下さいました。今回の大事件でも、結果的にダビデは大きな恵みを受けました。それは、祖国イスラエルと闘うことを免れたこと、そして、自分たちの家族や財産を取り返しただけでなく、莫大な戦利品を与えられて、それを弱いものたちやこれまでお世話になった人たちに分かつことができたことです。
清宣教師
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