いよいよ、神殿が完成して、その中に、器具を運び入れることになりました。その中でも最も重要なものは「契約の箱」でした。契約の箱が神殿に運び込まれる日は、あらかじめ定められていました。その日、すべての人が招集されました。そして、イスラエルの長老全員が参加する中、祭司たちが契約の箱を担って、さだめの場所である至聖所の中へと運び入れました。契約の箱の中には、あのモーセが主から受け取った十戒が記された2枚の石の板が入っていました。祭司たちが無事、契約の箱を至聖所に安置して聖所から出てくると、ただちに、主の臨在を象徴する雲が主の宮に満ちました(10節)。その結果、「祭司たちは、その雲にさえぎられ、そこに立って仕えることができなかった。主の栄光が主の宮に満ちたからである」(11節)と記されています。
主の宮の中ではすべての奉仕をするために祭司たちが特別に選ばれていました。ところが、不思議なことに、その祭司たちが奉仕をすることができなくなったのです。つまり、主の臨在の中では、祭司たちも自分の意のままに奉仕するのではなく、主の主権と臨在の中で自分を完全に明け渡すことしか出来ないのです。そこでは、プログラムも、奉仕の手順も、すべてがストップするのです。主の臨在のあるところ、奉仕すら、意味がなくなるのです。私たちの礼拝においても、主の濃厚な臨在の雲が覆うなら、すべてのプログラムも奉仕の手順もストップするのです。あとは、主の臨在にお任せする以外にないのです。そのような礼拝の特権にあずかりたいです。主の臨在の中で、すべての礼拝のプログラムの遂行が不可能となり、司会者も、奏楽者も、礼拝者もみな、ただ、圧倒的な主の臨在の雲の中に、倒れてひれ伏すだけなのです。
ソロモンは、イスラエルの全集団の前に出て行き、両手を天に差し伸べて、主の祭壇の前に立ち、民たちを代表して、祈りを捧げました(22節)。そして、イスラエルの神に対して天の天も、主をお入れすることはできないこと、なおさら、自分が建てたこの宮など、なおさらのことですと、告白しました。ただ、主が「わたしの名をそこに置く」という約束のゆえに、この所に向かって捧げる祈りを聞いて下さい(30節)と嘆願しました。そして、31節~53節まで、ひとつひとつのケースについて、嘆願しました。その中には、民が罪を犯した場合、あるいは外国人のための執り成しの祈りも含まれていました。そして、主の前に祈ったあと、主の祭壇の前から立ち上がり、全会衆の方をむいて、全集団を大声で祝福しました。それから、イスラエル人は、多くのいけにえや和解のいけにえを捧げました。そして、14日間、主の前で祭りを催しました。民たちはすべての恵みを喜び、心楽しく自分たちの住まいへと帰って行きました(66節)。
今日の個所から教えられることは、まだまだ、私たちは真の礼拝、主の臨在の雲が表れるような体験をしていないということです。やがて、天において私たちが捧げる礼拝はなんと素晴らしいことでしょう。想像してみて下さい。この地上でのソロモンの神殿の完成式の時の礼拝の光景が何千倍にもなって実現するのです。一方で、心からの願いは、この地上に生きている間に、ぜひ、私たちの教会の礼拝において、主の臨在の雲が表れることです。それこそ、リバイバルの始まりの時だからです。
清宣教師
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