この25章は、列王記全体(第1、第2列王記)の最後の章です。バビロン軍がエルサレムの町を破り、エルサレムは崩壊し、ゼデキヤ王とその家族は、悲惨な最期を遂げました(25章7節)。エルサレムの町は焼き払われ、エルサレムの城壁は取り壊されました。残りの民は、根こそぎ、バビロンに捕囚の身となりました。
今日の25章は、24章1節―7節の第1回バビロン捕囚、24章8節―16節の第2回バビロン捕囚に続くもので、25章1節―21節は第3回バビロン捕囚と呼ばれています。紀元前586年、南ユダ王国は消滅しました。これは紀元前960年のソロモンの神殿奉献のとき、はっきりと警告されていた事でした。それが、次のことばです。「もし、あなたがたとあなたがたの子孫が、わたしにそむいて従わず、あなたがたに授けたわたしの命令とわたしのおきてとを守らず、行ってほかの神々に仕え、これを拝むなら、わたしが彼らに与えた地の面から、イスラエルを断ち、わたしがわたしの名のために聖別した宮を、わたしの前から投げ捨てよう。こうして、イスラエルはすべての国々の民の間で、物笑いとなり、なぶりものとなろう。この宮も廃墟となり、そのそばを通り過ぎる者はみな、驚いて、ささやき、『なぜ、主はこの地とこの宮とに、このような仕打ちをされたのだろう』と言うであろう。すると人々は、『あの人たちは、エジプトの地から自分たちの先祖を連れ出した彼らの神、主を捨てて、ほかの神々にたより、これを拝み、これに仕えた。そのために、主はこのすべてのわざわいをこの人たちに下されたのだ』と言うようになる。」(列王記第1、9章6節~9節)。まさか、あの荘厳できらびやかな神殿が、破壊され、燃やされ、灰塵に帰してしまうとは、だれも想像できなかったことと思われます。しかし、主のことばは、確かです。時代を超えて、成就しました。この残虐な悲惨な結果を記した列王記でしたが、最後の最後、25章27節―30節に、ユダの王エホヤキンが捕囚の37年目に牢獄から釈放されて、王の食卓にあずかるものとなったことを記しています。しかも、生活費は、すべてバビロンの王から支給されたことが記されています。最後に、かすかな希望の灯火を見ることが出来ます。しかし、実際にバビロン捕囚からの解放が実現するのは、バビロンによってではなく、新バビロニヤ帝国を亡ぼしたペルシャ帝国によるものでした。
さて、あのソロモンの神殿の奉献式における預言が、まさか、成就するとは、そのときは誰一人、予測できなかった事ですが、時代を超えて成就しました。ということは、この世における終末時代の裁き、そして、新天新地の成就もまた、確実であるということです。初めからの計画である、人類の救いと回復の成就、ここにすべての希望があります。私たちの永遠の居場所は備えられています。「私は、新しい天と新しい地とを見た。以前の天と、以前の地は過ぎ去り、もはや海もない。 私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとを出て、天から下って来るのを見た。そのとき私は、御座から出る大きな声がこう言うのを聞いた。「見よ。神の幕屋が人とともにある。神は彼らとともに住み、彼らはその民となる。また、神ご自身が彼らとともにおられて、彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである。」すると、御座に着いておられる方が言われた。「見よ。わたしは、すべてを新しくする。」また言われた。「書きしるせ。これらのことばは、信ずべきものであり、真実である。」また言われた。「事は成就した。わたしはアルファであり、オメガである。最初であり、最後である。わたしは、渇く者には、いのちの水の泉から、価なしに飲ませる。勝利を得る者は、これらのものを相続する。わたしは彼の神となり、彼はわたしの子となる。」(黙示録21章1節~7節)。アーメン。
清宣教師
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