歴代誌ですが、ヘブル語原典では、旧約の律法・預言・諸書の区分の一番最後に置かれています。その内容は、人類の創造から始まって、ペルシャ帝国のクロス王による解放勅令に至るものです。つまり、創世記から列王記の最後までの歴史をもう一度しるしています。その意味では重複する部分が多いともいえます。ただし、この歴代誌は、北イスラエルがアッシリヤへの捕囚の民となり、そのあと、南ユダがバビロン捕囚となり、さらに、その捕囚から帰還したのちに、記されたといわれています。つまり、イスラエルとユダの繁栄の歴史は過去のこととなり、今は廃墟と化した故郷の町々の再建と復興を目指して、どん底から立ち直る途上で記されたものです。歴代誌の記者は、エズラと言われています。神殿の再建も済んでいたころと思われます。しかし、神殿と言っても、かつてのソロモンの神殿のおもかげはありませんでした。民たちも、疲弊して、イスラエルの再建という目標を見失いがちでした。そのような状況の中で、この歴代誌は、もう一度、イスラエルの歴史を、最初から振り返り、主の選びの計画を覚えて、イスラエルの民に与えられた神の民としての使命、唯一の創造主を礼拝する共同体としての使命を覚えて、真の礼拝を確立しようとして書かれたものと思われます。
歴代誌第1の1章から9章までは系図とリストになっています。今日の第1章は、人類の祖先であるアダムの系図から始まっています(1節~4節)。さらに、ノアの息子たち、セム、ハム、ヤペテの子孫の系図がしるされています。その順序は、ヤペテの子孫(5節~7節)、ハムの子孫(8節~16節)、そして、最後にセムの子孫(17節~23節)となっています。へブルの世界では、支流からはじめ、最後に本流を紹介するのが、通常の記し方です。つまり、ノアの子孫の中での本流は、セムの子孫ということになります。セムの子孫こそ、主なる神を礼拝する民でした。次に、アブラハムの子孫について、まず、イシュマエルの子孫(29節~31節)、次に、アブラハムのそばめケトラの子孫たち(32節~33節)、そして、最後に、主流のイサクの子孫(34節)が紹介されています。35節~54節は、イサクの長男のエサウの子孫の系図が記されています。これは、2章に登場する、いわば主流のイサクの次男ヤコブ(のちにイスラエルと名をあらためた)の系図の前に、紹介するという形式に従ったものと考えられます。
主には計画があります。もう一度、人類の祖であるアダムから系図を掘り起こすという作業が、ルーツ(原点)を探る上で大事な役割を果たしています。私たちも、人生の原点を振り返ることはとても重要です。そこに、神のご計画を、改めて、再発見し、再認識できるからです。そして、あなたの人生の出発点を与えられたのは、創造主であることを、もう一度、覚えて下さい。そのお方が、「あなたはわたしの目には高価で尊い。恐れるな。わたしはあなたを贖ったのだ」と宣言されているのです。それではまた。
清宣師
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