いよいよ、神殿が完成して、外側の器が完成しました。いよいよ、その神殿に魂をいれる?作業が残っていました。つまり、主の臨在の象徴である契約の箱を運び入れることでした。それまでギブオンにあった天幕、天幕の中にある聖なる用具、そして、契約の箱をレビ人たちが、完成した主の宮(神殿)に運び入れました(2節~7節)。契約の箱は、あらかじめ、至聖所に設置されたふたつのケルビムの翼の下に運び入れました。もはや契約の箱は移動式ではなかったのですが、主の指示のとおりに、二本の担ぎ棒が通されていました。その棒は長かったので、聖所からは見えたのですが、神殿の外からは見えませんでした。「それは今日までそこにある」(9節末尾)と歴代誌の記者が書き込んでいます。つまり、ソロモンの神殿が完成したのち、500年を経過する中で、エルサレムはバビロン軍の攻撃をうけて、バビロン捕囚となりましたが、今も、契約の箱は、厳然としてそこにある、という記述です。
さて、契約の箱が内堂である至聖所に運び込まれ、祭司たち、レビ人たち、歌うたいたち、すべての神殿奉仕者が、この日ばかりは、担当の順序によらず、全員、神殿の前に並びました。そして、みながまるでひとりでもあるかのように一致して、賛美の歌声を響かせ、創造主なる神を賛美しました。すると、主の宮が雲で満ちました。この場合の雲とは聖なる神の臨在を示す象徴です。人間は聖なる主の栄光の前に直接立つことができません。それで、主はその栄光を雲で覆い、その中にご自分の臨在を現されます。祭司たちは、その臨在の栄光の雲によって、そこに立って仕えることが出来ませんでした(13節、14節)。
このような光景は、今日でも記録されています。主の臨在が満ちると、一切の人間的な行為がやんで、すべてにおいて主の臨在が支配するようです。ただ、そこには、聖霊様の平安の波が押し寄せては、感動と涙と沈黙があるそうです。礼拝の究極は、ただただ、主の前にひれ伏す以外にないということです。私たちの礼拝の究極の目標も、矛盾するようなことになりますが、最高の準備をしたとしても、すべての賛美も、祈りも、メッセージも止まり、主の臨在と沈黙が支配することのようです。しかし、礼拝の奉仕に意味がないわけではありません。主の臨在が現われる前に、「まるでひとりであるかのように一致して歌声を響かせ、主を賛美し、ほめたたえた」(13節)と記されています。まるでひとりでもあるかのように一致するとは、最高の準備をもって、しかも、全員がひとつの心で賛美を捧げたことを意味しています。司会者、奏楽者、賛美アシスト、音響、メッセンジャーという礼拝奉仕者が、最高の準備をもって心を合わせて奉仕する時に、究極の礼拝である、主の臨在への扉をひらくのです。そういう意味では、やはり、礼拝の奉仕者は最高の特権をいただいていることになります。会衆を主の臨在の中へ導く役割です。良き準備をして、心を合わせて、奉仕をすることが求められています。そのために、お祈りしていきたいと思います。
清宣教師
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