1節~5節は、主の幻。6節と7節は、聖別。8節~13節は、預言者としての召命。
イザヤはウジヤ王が死んだ年(紀元前740年前後)、預言者としての召命を受けました。ウジヤ王は、高ぶりの罪により、主によって打たれて、らい病になりましたが、52年もの間、南ユダを治めて、農業の繁栄をもたらし、軍事的にも、政治的にも優れた業績を残しました(歴代誌第2、26章参照)。そのウジヤ王が死んだとき、イザヤは、主が王座に座しておられ、高く上げられ、主の裳裾が神殿に満ちていた光景を目撃しました。セラフィム天使がお互いに、顔を覆い、両足を覆い、聖なる神の御前で、「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の主、その栄光は全地に満つ」と賛美しておりました。その叫び声で、神殿の敷居は揺るぎ、宮は煙で満たされました。圧倒的な聖なる神の臨在と栄光によって、ただただ、イザヤは恐れました。自分は汚れた者であり、汚れた唇の持ち主であり、もはや、聖なる神の御前で滅びる以外にない、徹底して汚れた自分であることを強く意識して、神の裁きにより滅びるに違いないと確信しました。神の臨在は、決して汚れた者、罪ある者の存在を許さないからです。すると、セラフィム天使のひとりが、祭壇の上から火ばさみで取った燃えさかる炭火を手に持って、イザヤの口にふれました。そして、宣言しました。「見よ。これがあなたの唇にふれたので、あなたの不義は取り去られ、あなたの罪も贖われた」。これを聞いたイザヤは、聖なる神の御前で、自分の罪が贖われたことを知りました。それは言い知れない恐れから、罪なき者としての全き平安への解放でした。そこで、高い御座から神の御声が響き渡りました。「だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう」。そこで、イザヤは、ただちに応答しました。「ここに私がおります。私を遣わしてください。」そこで、主が「行って、この民に言え」と命じられました。それはイスラエルの民への宣教です。しかし、彼らは宣教すればするほど、神のことばに対して頑なになり、徹底して、耳を閉じ、立ち返ることがない民たちでした。それにもかかわらず、主のことばを宣べ伝えることは、途方もない大きな重荷でした。そこに解決の時が来るとすれば、戦争と侵略による徹底した荒廃と、民の捕囚によってしか、実現されないというのが神のおことばでした。しかし、その中にも主の憐みがありました。主の憐みにより、民たちの中に、主への信仰を保つ、少数の「残りの者」が残され、やがて、そこから救い主が起こされるのです。
今日の聖書箇所から教えられることは、主を礼拝することの素晴らしい光景です。礼拝の原点が描かれています。礼拝の中で、圧倒的な臨在の栄光が満ちること、それは私たちの心からの願いです。このような光景を、地上の礼拝で経験することが出来たら、それ以上の幸せはありません。イザヤのように、このような真の礼拝を体験した者は、神のしもべとなり、どんな苦難をも乗り越えるのです。主を慕い求めます。
清宣教師
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