きょうの57章の出だしは、56章9節の段落から続いています。昨日の個所では、南ユダの指導者(見張り人、牧羊犬、牧者と表現されていた)が、あらゆる敵による侵略(獣と表現されていた)という神の裁きを受ける危機的な状況にあることを、主があらかじめ警告しているにもかかわらず、その警告を無視し、「あすもきょうとおなじだろう。あすは、もっとすばらしいかもしれない。」(56章12節)といって、酒宴をひらいていました。その続きが今日の個所です。南ユダの指導者は、義人(神の前に正しい関係を保っている人)が滅び、誠実な人(神の前にまっすぐなひと)が取り去られても、心に留めず、心を向けもしませんでした(1節)。義人や誠実な者は、じつは、この暗黒の時代にあって迫害され、いのちの危険に脅かされていました。それで、主は義人や誠実な者たちが全き平安と休息を得るように、この世から取り去られたのでした。しかし、指導者たちはそのことに気づきもしませんでした。3節~13節は、異教の神々、偶像の神々に関わりを持つ者たちへの宣告です。イザヤはイスラエルの民の偶像礼拝の罪について述べています。イスラエルの民が、モレク礼拝やカナンの宗教、占いなど、ありとあらゆる偶像礼拝のとりこになっている姿が描かれています。その行動は異常であり、国全体に偶像礼拝が蔓延している姿は、救いのない状況にありました。しかし、その最期に、「主に身を寄せる者は地を受け継ぎ、聖なる山を所有することができる(13節後半)」と付け加えて閉じています。14節は、主が預言者に語っておられる個所です。「盛り上げよ。土を盛り上げて、道を整えよ。わたしの民の道から、つまづきを取り除け」。この聖句は、私自身は気に留めていなかった聖句でしたが、今から10数年前、仙南牧師祈り会があり、その日は会場が西仙台教会(中澤竜生牧師)でした。その教会の講壇の左側に、この「57章14節」のみことばが掲げてありました。しかも、それは、西多賀教会の1日1章の個所がちょうど、イザヤ書56章の日でした。ですから、改めて、この聖句の重要性について教えられた時でした。さて、私たちの神は「聖」なるお方です。いと高き所に住まわれ、人間とは隔絶したお方です。しかし、「心砕かれてへりくだった人と共に住む。」(15節)と記されています。それは、へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためでした(15節)。ここで、「心砕かれてへりくだった人と共に住む」という表現は、もちろん、人間のことを表現しているわけですが、その背後には、もうひとつの意味が隠されていると感じました。それは、「その聖なる神が、心砕かれて、へりくだり、私たちのところに来られた。」ということです。神の御子は、ご自分の心を砕かれ、へりくだり、この世に来られました。イエス様は、マタイの福音書11書29節で、「わたしは心優しく、へりくだっているから」とご自分を紹介されました。聖なる神の御子は、心優しく、心砕かれ、へりくだられたお方なので、私たちのところに来てくださいました。だからこそ、イエス様は「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」と招いておられます。イザヤ書の57章の続きの16節~19節では、やはり、「いやそう」「いやそう」と慰めと招きのことばが語られています。
今日の聖書箇所から教えられることは、なんと、主は憐み深いお方なのであろうか、感嘆します。このお方が私たちの主であるとは、なんと幸せなことでしょう。もう一度、改めて、みことばを記します。「わたしは、高く聖なる所に住み、心砕かれて、へりくだった人とともに住む。へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためである」。きょう、心優しい主に信頼して、主のもとに行きましょう。休みましょう。憩いましょう。癒していただきましょう。
清宣教師
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