今日からエゼキエル書に入りました。エゼキエル書は、今までのエレミヤ書とは異なり、時間的な順序に従って、きちんと配置されているので、比較的、理解しやすいです。時代的には、バビロン捕囚の時代です。エレミヤは、南ユダ、エルサレムにおいて主の預言者として働いておりました。一方、エゼキエルはバビロンにおいて主の預言者として召されました。エホヤキン王がバビロンに連れて行かれてから5年目のことでした(1,2節)。その年の第4の月の5日とあります。これは私たちの現代の暦で言えば、紀元前593年7月31日にあたります。エゼキエルは、エホヤキン王がバビロンに連れ去られた時、一緒に、バビロンに捕え移されました。その時は、まだエルサレムも神殿も無事でした。エルサレムや神殿が崩壊したのは、それから11年後のことでした。紀元前593年とは、エルサレムや神殿が崩壊するよりも6年前のことでした。エルサレムに残っていた者たちも、バビロンに捕囚となっていた者たちも、エルサレムは神殿があるところであり、決して滅亡することはあり得ないとほとんどの人たちが信じていました。エレミヤは南ユダで、エゼキエルはバビロンの土地で、主の預言を伝えたのです。しかし、エルサレムと神殿の滅亡の預言は、南ユダでも、バビロンでも、民の指導者や民衆たちには受け入れられない内容でしたので、ひどく、迫害されました。エゼキエルは、ケバル川のほとりで召命を受けました。ケバル川とはユーフラテス川の支流(人工的な運河のひとつ)です。エゼキエルも、エレミヤと同じように、公然と民衆の前で語ることを禁じられていたようです。家に来る者たちに語っていたようです。しかし、エルサレムや神殿がバビロンの軍勢により滅びたあとは、主の預言者として認知されて、公然と人々の前で語ることができるようになったと考えられます。エゼキエルは、バビロンで一生を過ごしました。ユダヤ人の伝承によると、バビロンにいたユダヤ人の指導者たちによって殺されたと言われています。ダニエルは、その頃、バビロンにいましたが、宮廷の中でバビロン王に仕えていたのでエゼキエルとの間には交わりはなかったと思われますが、一方、エレミヤは、エゼキエルよりも34年前に預言者として召されていましたから、バビロンに連れ去られる前に、エゼキエルは預言者エレミヤのことばを聞いていたと思われます。ユダヤ人の伝承によると、エゼキエルとエレミヤとの間で、手紙のやりとりがなされていたと言われています。さて、エゼキエル書は、全体を大きく分けると、5つに分けることができます。1章1節―3章27節:エゼキエルの召命。4章1節―24章27節:ユダとエルサレムへの裁きの預言。25章1節―32章32節:国々への裁きの預言。33章1節―39章29節:イスラエルの回復の預言。40章1節―48章35節:新しい神殿と相続地。
さて、1節の第30年とは、明確には分りませんが、一般にはエゼキエルが30歳の時を表していると解釈しています。
3節には、「主」(太字、つまり、主の御名、聖4文字YHWHが記されている)のことば、「主」の御手があったと記されています。また、「ハッキリと」ということが強調されています。この意味は何でしょうか? 当時、バビロンに捕囚となった民たちは、神に見放された者たちとの認識が、一般的でした。しかし、ここで、主は、捕囚の民たちを捨てられたのではなく、このバビロンの地において、主のみことばがハッキリと語られたという事実を強調しています。そして、4節以降、このバビロンの地において、明確に、主の臨在があったことを記しています。それは信じられない驚くべき事実でした。主は、エルサレムではなく、この異教の地において、臨在されておられるのです。4節―28節の中に登場する「4つの生き物」に関する描写で、注意すべき点があります。それは、「・・・のようなもの」「・・・のように」「・・・のようであり」という表現です。つまり、○○であるとは言っていないことです。あくまでも、「・・・のよう」という表現であり、エゼキエルには、最も適切なことばで表現することは難しかったのです。例えば、4節では、「青銅の輝きのようなもの」であり、決して、青銅の輝きではありませんでした。これは、この章の全体の表現についていえることです。エゼキエルが見たのは、天の光景であり、地上のことばで描写することは困難を極めたのです。また、4つの生き物(ケルビム天使たち)について、詳しく描写されていますが、大事なことは、そのあとに描写されていること(26節―28節)です。これらの4つの生き物たちを台座として、その遥か上に、主の御座があったことです。4つの生き物の4つの顔について、ユダヤ人の学者は、次のように解釈しています。「人間」はすべての生き物を治める者、「獅子」はすべての野の獣を治めるもの、「牛」はすべての家畜をおさめるもの」、「鷲」はすべての鳥たちをおさめるもの、ということで、それら自然界のすべてのものを治めるものたちを台座として、そのはるか上におられる主の姿を描いていると言われています。輪(18節―21節)は神の霊であり、つねに、一緒にあることを描いています。ケルビム天使たちは、つねに、主の霊の導きのまま従っていることを描写しています。私たちも、主の御霊によって歩みなさいと勧められています。肉を満足させるのではなく、御霊によって満たされて歩くことです。以上です。主の御名を賛美します。
清宣教師
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