今日から、13章に入りますが、ここでイザヤ書の全体のアウトラインを記します。
1章―12章(ユダとエルサレムに対する審判と預言)
Ⅰ-5章:叱責と約束の4つのメッセージ。
6章:預言者イザヤの召命。
7章―12章:インマヌエルの4つのメッセージ。
今日の13章から話題が変わります。
13章―23章(諸外国に対する審判と預言)
①バビロンに対するメッセージ(13章1節―14章27節)。
②ペリシテに対するメッセージ(14章28節―32節)。
③モアブに対するメッセージ(15章1節―16章14節)。
④ダマスコに対するメッセージ(17章1節―14節)。
⑤エチオピアに対するメッセージ(18章1節―7節)。
⑥エジプトに対するメッセージ(19章1節―20章6節)。
⑦バビロンに対するメッセージ(21章1節―10節)。
⑧ドマ(エドム)に対するメッセージ(21章11節―12節)。
⑨アラビヤに対するメッセージ(21章13節―17節)。
⑩幻の谷(エルサレムとユダ)に対するメッセージ(22章1節―25節)。
⑪ツロに対するメッセージ(23章1節―18節)。
そのあとは、24章―35章(イスラエルの民に対する審判と救いの終末的預言)
36章―39章(歴史的記録)
40章―66章(神の救いに関する預言)。
ところで、今日の13章1節から明日の14章27節にかけては、バビロンに対するメッセージとなっています。
不思議なことがあります。それはバビロン帝国がまだ世界歴史上に脚光を浴びるようになる遙か前のイザヤの時代に、超自然的な啓示によってバビロンンの滅亡を預言していることです。「貴族の門に、はいらせよ」(2節)。まだ歴史上、大帝国になる遙か前にもかかわらず、バビロンへの裁きの預言から始まることは、地理的な理由か、重要性によるものか、明確ではありません。ただ、南ユダ王国の将来と最も深いかかわりがあることから、最初に取り上げられているものと推測されます。なお、内容的には、全世界的な滅亡を意味する内容をも含んでいます。それで、単にバビロン帝国の滅亡の描写としてだけでなく、世界的な大帝国の滅亡を描写しているとも考えられています。
1節には、「アモツの子、イザヤの見たバビロンに対する宣告」と記されています。バビロン帝国が出現する遙か前に、全能なる主が、あらかじめ、イザヤに対して、幻を通して、バビロン大帝国の滅亡を見せたのです。このことを通して、主は明らかに全世界の歴史を支配しておられることが示されています。英語のヒストリーは、「ヒズ(大文字の彼、つまり、主なる神)ストーリー(物語)である」と言われる所以(ゆえん)です。
それでは、また。
清宣教師